治療からコントロールへ: 男性更年期障害の新しい対処法とは?

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「男性更年期障害」と聞いて、あなたは何を感じますか?

もしかしたら、不安や混乱、あるいは無力感かもしれません。

特に、仕事で忙しいミドル世代のあなたにとって、この言葉は重くのしかかるかもしれません。

しかし今日、あなたは新しい視点からこの問題にアプローチすることができるようになります。

それは「治療からコントロールへ」

この新しい視点が、あなたの男性更年期障害との向き合い方を根本から変えることでしょう。

この記事では、男性更年期障害の現実を明らかにし、一般的な誤解を解きほぐします。

そして、「治療」だけに焦点を当てるのではなく、日常生活での「症状のコントロール」に重点を置くべき理由について深く掘り下げていきます。

なぜならば、男性更年期障害は「治る」というよりは、日々の生活の中で「うまく」症状をコントロールすることがより重要になるからです。

具体的な日常生活の中での症状コントロールのテクニックやヒントを提供し、あなたが直面する症状に対して具体的な解決策を示します。

さらに、マインドセットの転換にもフォーカスしちゃいます。

なぜならば「治さなければならない」という呪縛から解放されないと、あなたが不幸になる可能性が高くなるからです。

マインドセットによって男性更年期障害をポジティブに捉え、盲目的に「治す」ことだけに囚われず、症状をコントロールすることで、これからも充実した生活、仕事、人生が送れることをお伝えします。

あなたには、男性更年期障害との新たな関係を築き、健康で充実した人生を送るための道が開かれていくことでしょう。

この記事が、その第一歩となることを心より願っています。

男性更年期障害の現実とは

男性更年期障害に対する一般的な理解は正しいとは言えず、まだまだ誤解されていることが多いのが現状です。

男性更年期障害は、加齢やストレスによってテストステロンが低下することによって引き起こされます。

テストステロンは、男性の性機能、筋肉量、骨密度、そして気分などに重要な役割を果たす男性にとっては超重要なホルモンです。男性ホルモンのS級ランクです。

テストステロンレベルが低下すると、性欲の減退、勃起障害、筋肉量の減少、体重増加、気分の変動、疲労感などのほか、めまい、動悸、不眠、発汗などの症状が現れることがあります。

男性更年期障害は医学的に「男性のクライマクタリック(気候的)症候群」とも呼ばれ、主に40代から60代にかけての男性に見られます。

しかし、この状態は一般的な老化現象とは異なり、個人の生活習慣や健康状態に大きく左右されることがわかっています。

男性更年期障害の診断は、医師による問診のほか、血液検査によるテストステロン測定に基づいて行われます。

テストステロンのレベルが通常より低い場合、医師は更年期障害の診断を下すことがありますが、必ずしもすべての男性が治療を必要とするわけではありません。

男性更年期障害は、運動、バランスの取れた食事、睡眠の改善など、いわゆる生活習慣の見直しなどで改善する事の方が多いのです。

もちろん、必要に応じてホルモン補充療法も検討されることがありますが、副作用もありますので注意が必要です。

以上の点を踏まえると、男性更年期障害は適切な理解と管理によってその影響を最小限に抑えることができるということです。

なぜ”治す”から”コントロール”への思考が必要か

男性更年期障害に苦しんでいる悩んでいるとしたら、真っ先に思うのが「治したい!」という考えですよね。

分かります、分かります。

わたしも、同じ気持ちです。

だって、苦しんでいるのですから。

その苦しみから、1秒でも早く逃れたいと思うのは、当然至極な考えです。

そんなあなたに「男性更年期障害は必ず治りますよ」と言いきることが出来ればいいのですが、この「治す」という視点だけでは、解決できない現実も見えてきたんです。

なぜならば、男性更年期障害は、従来の治療法では完全に「治る」とは限らないからです。男性更年期障害は多くの場合、テストステロンバランスの変動によって引き起こされ、この変化はしばしば長期にわたり、症状を完全に「治す」ことが困難な場合があるのです。

症状が長期化すると生活の質(QOL)が著しく低下する恐れがあります。

このため、単に医学的な治療に頼るだけでなく、症状の「コントロール」に重点を置くことが現実的にも重要です。

「えっ!男性更年期障害って治らないの?」って思うかもしれませんが、「治らない場合もある」ということをしっかり理解しなければなりませんん。

知人にも主治医から「治療をしてももうテストステロンは増えません」と診断された方もいたり、治療法としてスタンダードな「テストステロン補充療法」も60%の方々しか効果がないと言われています。

つまり、現状日本で受けられる治療では「治らない」場合も相当数あるというのが現実なのです。

したがって、より現実的なアプローチは、治療と平行しつつ、症状をコントロールし、日常生活の質を向上させることです。

次項で、具体的な症状のコントロール方法についてお話させていただきます。

実践!日々の生活でできる男性更年期症状のコントロール法

あなたは、日々の生活で、どのように男性更年期障害と向き合い、症状をコントロールすればよいのでしょうか?

具体的かつ実践的なコントロール方法として、

① 症状が起きないようにするコントロール方法

② 症状が起きてからのコントロール方法

に分けて、医学的、科学的根拠に基づいて解説いたします。

① 症状が起きないようにするコントロール方法

男性更年期障害の予防とコントロールには、生活習慣の見直しが不可欠です。

以下の6つの方法を深く掘り下げ、日々の生活に取り入れることで、症状の発現を予防し、より健康的な生活を目指します。

定期的な運動習慣の確立:

運動はテストステロンのレベルを自然に高め、ホルモンバランスを改善します。

特に筋力トレーニングは、筋肉量の増加により基礎代謝を向上させ、全体的な体力と体調の維持に役立ちます。

有酸素運動は心血管系の健康を促進し、ストレスを軽減します。

例えば、ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳などがお勧めです。

週に3〜4回、30分以上の運動を目指し、できれば友人や知人と行うことで、運動の継続性と社交性を兼ね備えることが可能です。

バランスの良い食事:

栄養バランスの取れた食事は、テストステロンレベルを向上させつつ、健康を維持するために不可欠です。

テストステロンレベルのアップを目指すのであれば、亜鉛(牡蠣、肉類、ナッツ)、ビタミンD(サーモン、卵黄、キノコ)、オメガ3脂肪酸(魚類、亜麻仁、くるみ)を豊富に含む食品を摂取しましょう。

加工食品や砂糖の多い食品は避け、新鮮な野菜、果物、全粒穀物を多く含む食事を心掛けてください。

適量の水分摂取も重要です。

水分不足は疲労や集中力の低下を引き起こす可能性があります。

ストレス管理:

長期的なストレスはテストステロンの減少につながります。

ストレスを軽減する方法として、趣味の時間を持つ、家族や友人との時間を大切にする、仕事とプライベートのバランスをとるなどがあります。

ヨガや瞑想、深呼吸の練習はストレス管理に効果的です。

これらは心身のリラクゼーションを促進し、精神的な平穏をもたらします。

必要であれば、心理療法を受けることも有効です。

プロのカウンセラーや心理療法士と話すことで、ストレス源を特定し、対処法を学ぶことができます。

十分な睡眠:

良質な睡眠は、テストステロンバランスを整え、身体の回復を促進します。

毎日一定の時間に寝る習慣をつけ、6〜7時間の睡眠を目指しましょう。

睡眠環境を改善するためには、寝室を暗く静かに保ち、快適な寝具を使用することが重要です。

スマートフォンやコンピューターの使用は就寝前に控えることが望ましいです。

これらのデバイスから発せられるブルーライトは、睡眠の質を低下させる可能性があります。

また、最新の研究では寝室に入るまでのリビングルームの照明が特に影響が強いことが指摘されていますので、リビングの照明についても「くつろぎモード」を意識して、優しい光にするように心がけてください。

禁煙と節度のあるアルコール摂取:

喫煙はテストステロンのレベルに悪影響を与える可能性があります。

禁煙はテストステロンにとって非常に重要です。

アルコールは適度に摂取することが重要です。

できれば断酒が望ましいのですが、減酒でも効果は期待できます。

過度のアルコール摂取は、ホルモンバランスを乱し、男性更年期障害の症状を悪化させる可能性があります。

定期的なテストステロン検査でチェックアップ:

定期的なテストステロン検査を受けることで、男性更年期障害の初期症状を早期に発見することが可能です。

血液検査で簡単に調べることができますので、1年に1回のホルモン検査を行うようにしてみてください。

費用は5,000円前後のイメージです。

これらの方法を実践することで、男性更年期障害の発症リスクを減らし、もし症状が出ても軽減することが可能です。毎日の小さな積み重ねが、長期的な健康と幸福へとつながります。

② 症状が起きてからのコントロール方法

男性更年期障害の症状が発生した際の対処法は、症状の種類により異なります。

以下では、身体症状、精神症状、性機能症状に分けて具体的な対処法を掘り下げていきます。

【身体症状のコントロール方法】

疲労感への対処:

睡眠の質を高めるために、睡眠環境の改善と睡眠リズムの整え方を学びましょう。

眠る前にリラックスする習慣を持ち、カフェイン摂取を控えることも重要です。

日中の適度な運動はエネルギーレベルを高め、夜の睡眠の質を改善します。

ただし、過度な運動は避け、体を適度に休めることが大切です。

筋力減少への対処:

筋力トレーニングを週に数回行うことで、筋肉の量と質を向上させることができます。

重量ではなく、正しいフォームと継続性に重点を置きましょう。

高タンパク質食品の摂取を増やし、筋肉回復と成長をサポートします。

肉、魚、豆類、乳製品が良いタンパク源です。

体重の増加への対処:

カロリー摂取量を見直し、健康的な食事計画を立てましょう。

食事記録をつけることで、食事内容と量の管理が容易になります。

定期的な運動は体重管理に有効です。

特に有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリング)は、カロリー消費に効果的です。

【精神症状のコントロール方法】

不安感への対処:

瞑想、深呼吸、ヨガなどのリラクゼーション技法を日常に取り入れ、心の落ち着きを取り戻しましょう。わたしは、ヨガを日常に取り入れています。

また、心理療法士やカウンセラーとの定期的なセッションを通じて、不安を引き起こす根本原因を探り、解決策を見つけることも効果的です。

憂鬱感への対処:

日光浴を取り入れ、自然光を浴びることでセロトニン(幸福感をもたらす神経伝達物質)のレベルを高めましょう。

趣味や社会的な活動に積極的に参加することで、気分を高め、孤独感を減らしましょう。

集中力の低下への対処:

作業をする際は、タイマーを設定し、短い休憩を取りながら集中して作業する方法(ポモドーロ・テクニック)を取り入れましょう。

マインドフルネス瞑想は、集中力を高め、思考を整理するのに役立ちます。マインドフルネスは「瞑想の一種」とされていますが、歩きながら、走りながら、食事をしながらなど、「~ながら」で行える瞑想法です。

ぜひお試しください。

【性機能症状のコントロール方法】

性欲の低下への対処:

パートナーとのコミュニケーションを強化し、感情的な絆を深めることが重要です。

互いの感情や欲求について話し合う時間を設けましょう。

カウンセリングやセラピーを通じて、性的な問題に対処することも効果的です。

勃起不全への対処:

血流を促進するための運動(特に下半身を鍛える運動)を取り入れましょう。

アルコールやタバコの摂取を控え、健康的な生活習慣を心掛けることで、血流の質を向上させることができます。

オルガズムの問題への対処:

性行為に関するプレッシャーや不安を減らすために、リラクゼーションやマインドフルネスを実践しましょう。

必要に応じて、セックスセラピストや専門家の助言を求めることで、性的な悩みに対処する方法を学ぶことができます。

これらの方法を実践することで、男性更年期障害の症状をより効果的にコントロールし、日々の生活の質を高めることが可能です。

症状に対処することは、健康的なライフスタイルへの一歩であり、より充実した日々を送るための基盤となります。

マインドセットの転換: 男性更年期障害をポジティブに捉える

あなたにとって、男性更年期障害は単なる健康問題ではありません。

これは、人生の新たな局面として捉え、自己成長の契機とするチャンスです。

そう、チャンスなんです。

ここでのマインドセットが、

あなたの生活、

あなたの健康、

さらには

あなたの幸福感

に深く影響を与えます。

マインドセットとは何か?

マインドセットとは、あなたが世界と自己をどのように解釈し、反応するかの基本的な考え方です。

心理学では、この概念が人の行動、モチベーション、成果に大きな影響を与えるとされています。

男性更年期障害をポジティブに捉えることで、あなたは自分の身体と心により良い影響を与えることができます。

ポジティブなマインドセットの育成法

自己認識の強化

まずは、自身の感情や身体の変化を正直に受け止めましょう。自己受容は、変化への第一歩です。

日記やメモを取ることで、自分の内面と向き合い、感じていることや変化を客観的に観察しましょう。

目標設定

小さな目標を設定し、それに向かって一歩ずつ進んでいきましょう。

例えば、週に3回の軽い運動、毎日の健康的な食事、毎晩の良質な睡眠などです。

目標達成のたびに、自分を褒め称えることが重要です。

これにより、自己肯定感が高まり、次のステップへのモチベーションが増します。

ポジティブな言葉の使用

日々のコミュニケーションでポジティブな言葉を使いましょう。

例えば、「できない」ではなく「できるようになる」という言葉遣いを心掛けてください。

自己肯定のための簡単なアファーメーション(自己暗示)も有効です。

毎日、「私は価値がある」「私は毎日成長している」と自分自身に言い聞かせましょう。

私の口癖は「ありがとうございます。」です。

行動への後押し

具体的な行動計画を立てる

毎日のスケジュールに健康的な習慣を組み込んでください。

例えば、朝のウォーキング、昼休みの瞑想、夜の読書などです。

習慣化には最初の一歩が肝心。小さな変化から始めて、徐々にライフスタイルに組み込んでいきましょう。

あなたの人生は、まだまだこれからです。

男性更年期障害を、自己成長と新たな人生のスタートラインと捉えることで、あなたは自身の健康と幸福を自らの手で築き上げることができます。

今日から、あなた自身のマインドセットを変え、新たな一歩を踏み出しましょう。

おわりに

この記事を最後までお読みくださり誠にありがとうございます。

男性更年期障害という課題は、多くの場合、単なる健康問題ではなく、あなたの光り輝く充実した人生第二幕を開幕させるための絶好のチャンスになります。

男性更年期障害を発症すると、その苦しみ不安から少しでも早く解放されたいという思いから「治療」に意識が向きがちですが、残念ながら現在の治療法では男性更年期障害を克服(完治)できない可能性もあります。もちろん治療で完治または寛解(症状が落ち着いている状態)になれば、それはそれで嬉しい状況ですが、症状が落ち着いたり、落ち着かなかったり、その波も、大波小波とざわざわし続けることもあります。

そんな状況にもしっかりと向き合い、その症状をねじ伏せる(コントロール)するという姿勢がより大切になるのです。

今回の記事では、そんなメッセージを皆様にお届けしたいと考え執筆いたしました。

この記事が、あなたの人生において新たな一歩を踏み出すヒントになることを心から願っています。

最後になりますが、ぜひ、コメントであなたの思いや体験を共有いただけると嬉しいです。

また、他の関連記事もぜひご覧になって、あなたのライフスタイルをより豊かにするためのヒントを見つけてみてください。

それでは、またお会いいたしましょう。

男性更年期障害の克服に必要なのは「ひとりじゃない」と思えること

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ABOUT ME
タツヤ
タツヤ
男性更年期障害予防改善アドバイザー
1971年生まれ。
2010年頃から動悸、めまい、発汗、倦怠感などの症状に悩まされる。
様々な病院で検査を受けるも原因が分からず『診断難民』状態に。
その間、体調は悪化するばかり。
2019年頃から体調不良(不定愁訴)が顕著に現れる。
2022年11月ホルモン検査の結果、男性更年期障害の診断を受ける。
以降、テストステロン補充療法を中心に治療を続け、合わせてテストステロンをアップさせるための生活習慣の改善に取り組み、2023年11月時点、テストステロン値も正常になり、男性更年期障害の症状は改善する。
現在は、自身の経験を活かし、SNS(X【旧Twitter】)やblog、同じ悩みを持つ方々によるコミュニティ、さらには各種メディア出演など通じて、男性更年期障害を中心としたメンズヘルスに関する情報を発信している。

【メディア】
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■TBS NEWS DIG
■ぶんか社 comicタント(vol.50) 漫画(熊田プウ助『中年肉体百科』)の原作協力
■週刊SPA!(2024年 1/16・23号)
ほか

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