”ピクルスはきゅうりには戻れない”──「昔の自分に戻りたい」という気持ちと、男性更年期からの再出発

ピクルスは、きゅうりには戻れない──でも、それでいい
ずっとバリバリ働いて、イキイキと生きてきたのに──
ある日、男性更年期で思いもよらない急ブレーキがかかる。
そんなとき、ふとこんなことを思ったりしませんか?
「もう、元の自分には戻れないのかな…」
──実はこれ、かつての私の心の声です。
いつも読んでくださりありがとうございます。
男性更年期障害予防改善アドバイザーのタツヤです。
疲れが抜けず、やる気が出ない。
感情の起伏が激しくなり、家族にイライラをぶつけては自己嫌悪。
眠れない夜が続き、鏡に映る自分が、どこか他人のように感じる。
そんなとき、耳にしたひとことが心に残りました。
「ピクルスは、きゅうりには戻れない(Once a pickle, never a cucumber again)」
一度変化したものは、もう元には戻らない──
そんな意味のこの言葉が、不思議と沁みたんです。
今回は、この沁み沁みの言葉から、男性更年期を”チラ見”してみようと思います。

「元に戻りたい」と思う気持ちは、まったく自然なこと
男性更年期障害(LOH症候群)は、男性ホルモン「テストステロン」の減少によって、心と体にさまざまな変化をもたらします。
- 体の重だるさ
- 集中力・気力の低下
- イライラや気分の落ち込み
- 性欲の低下や自信喪失
こうした不調は、これまでの自分とのギャップを感じさせ、「あの頃に戻りたい」という気持ちを強くさせます。
でもね、「戻りたい」と思うのは、まったくおかしくありません。
あの頃のようにシャキッと目覚めて、バリバリ働き、笑っていた自分を恋しく思うのは、当然です。
むしろ、それだけ“自分に期待してきた証拠”なんですよ。
ただし、「まったく同じには戻れない」こともある
私自身の経験として、心も体も“まったくの元通り”になるのは、正直むずかしいと感じています。
ピクルスがもう、きゅうりに戻れないように──
あなたの体も、時間とともに、少しずつ変化しているのです。
でもそれは、「ダメになった」ということではありません。
ピクルスにはピクルスの味わいがあるように、変化したあなたにも、これまでにない深みや滋味が宿っている。
戻ることより、“進むこと”で人生は整っていく
大切なのは、無理に“戻ろう”とすることじゃなく、
「今の自分と、どう進むか」を考えること。
たとえば…
- 軽い運動から始めて、身体のサビを落とす
- 医療の力を借りて、ホルモンのバランスを見直す
- 話せる人と、つながってみる
- 小さな「できた」を、ひとつずつ積み上げる
- 新しい価値観とともに、新しい”何か”にチャレンジしてみる
そんな積み重ねが、
「きゅうりの頃には気づかなかった自分の新しい味」に、ふと気づかせてくれるはずです。
変わったあなたは、変わった誰かを支えられる
おもしろいことに、“変化を経験した人”ほど、誰かの変化に寄り添えるようになります。
自分をうまく扱えなかった時期があるから、
他人の不調や戸惑いにも、やさしくなれる。
“戻れない”ことを知っているからこそ、
“戻ろうと苦しんでいる誰か”に、「前を向くヒント」を渡せる。
あなたの変化は、きっと誰かの力にもなっていくのです。
ピクルスでいい。いやむしろ、ピクルスがいい
ピクルスは、もうきゅうりには戻れません。
でも、それでいいんです。
あなたは、時間とともに熟成され、
新たな役割と魅力を手に入れた存在。
男性更年期を経た今のあなたは、
ある意味、“スーパーサイヤ人”のように進化したと言ってもいい。
「戻れない自分」を責めるより、
「この変化にも、ちゃんと意味がある」って、静かに受け止めてみてほしいです。
そこから、あなただけの深い味わいが、ジワジワとにじみ出てきますよ。