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【人事部が解説】男性更年期障害で長期間会社を休む時の悩み事って・・・

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人事部である私(運営者)が、男性更年期障害で長期間休むことになりそうな時、休むことになった時の、良く聞かれるお悩みについて、人事部目線、病気で長期間休んだ経験者目線で、徹底解説します。

よく聞かれるお悩みとは

多くのサラリーマンは、病気で長期間休むことはあまりない経験かもしれません。

でも、長いサラリーマン人生、無いとは言い切れませんからね。

いざ

「長期間休むことになった・・・」

「長期間休むことになりそうだ・・・」

そんな時、色々と不安になり、悩みを抱えることになると思います。

そんな悩みについて、私自身(運営者)が

  • 人事部目線
  • 病気で長期間休んだ経験者目線

を織り交ぜて解説して参ります。

お悩み(私[運営者]調べ)で多いのは、以下の通りです。

  • 休み方のお悩み  
  • 病気で休むときの制度は?
  • そもそも男性更年期障害で長期間休めるの?
  • 経済面のお悩み  
  • 給料が支払われないの?
  • 何か公的支援があるの?
  • キャリアのお悩み  
  • 評価は下がるの?
  • 役職を下ろされる?
  • キャリアに影響があるの?

それでは、まいりましょう。

私(運営者)の場合はこうでした

先ずは、

私(運営者)の場合はどうだったのか?

についてお話ししたいと思います。

休み方

2022年11月の後半から、2023年1月後半までの、2ヶ月間、男性更年期障害を主な理由として、会社を休みました。

それまで、長期間休んだのは10日前後が最大です。

その2ヶ月間は、年次有給休暇と欠勤という制度を使って休みました

会社には、病気などで利用できる特別休暇がありますが、残念ながら私は条件を満たさず使うことは出来ませんでした。

休職については、休んだ期間が休職規定の日数に満たないことから、休職をせずに復職しました。

  • 年次有給休暇と欠勤で2か月間会社を休んだ。
  • 特別休暇は使えなかった。
  • 休職になる前に職場復帰した。

経済面

前項の通り、年次有給休暇と欠勤で休みましたが、年次有給休暇は有給の法定制度ですので、給料は全額支払われます。

次に欠勤ですが、こちらも有給で全額支払われました。

この点は、人によって様々だと思います。

私は、管理監督職に就いており、会社の規程により、欠勤で給料は控除(引く)しないと定められていますので、給料は全額支払われました。

管理監督者であったため、欠勤でも給与は引かれなかった。

キャリア

人事部の管理監督職として2ヶ月間長期間休むことになりましたが、役職及び人事部のポストの変更はありませんでした。

これは、人によって扱いが変わります。

復職の見通しや、復職後の働き方の見通しなどで判断されます。

一見すると、給料も役職もポストも変化なしでラッキーに見えるかもしれませんが、当然変化もあります。

先ずは、賞与です。

評価期間(半年間)の1/3である2ヶ月間休みましたので、その分出勤割合で減額になります。

また、復職時は、私(運営者)の方から役職を降りる旨、お願いをしました。

それを認めてもらいましたので、役職とポストにも変化がありました。

  • 役職、ポスト変更はなかった。しかし、復職時、健康面を最優先にするため自ら降職を申し入れた。※認められた。
  • 賞与は休んだ分、減額されることになる。

休み方のお悩み

病気で休むときの制度は?

会社によって多少の違いがあるとは思いますが、休む時の基本的な制度について整理してみましょう。

一般的には、下記の4種類になります。

病気で休むときの制度
  1. 年次有給休暇で休む
  2. 特別休暇(傷病休暇等)で休む
  3. 欠勤で休む
  4. 休職で休む

分かりやすいように、一覧表にしてみました。

年次有給休暇特別休暇欠勤休職
法律上の根拠労働基準法39条法律上の根拠なし(就業規則に記載)法律上の根拠なし(就業規則に記載)法律上の根拠なし(就業規則に記載)
賃金有給有給・無給どちらもあり(会社による)無給(一部例外あり)給・減額どちらもあり(会社による)
取得目的&条件勤続6か月以上で全労働日の8割以上出勤した者に付与されます。
時期や目的は自由です。
慶弔、夏季・冬季、病気など。裁判員など会社が定める理由で付与されます。事前に申請せずに仕事を休むこと。無断欠勤や病気欠勤などが該当します。長期間にわたって仕事を休むことです。病気や育児・介護などが理由で行われることが多いです。

それぞれ見ていきましょう。

①年次有給休暇で休む

ゆうきゅう」って言われたりしていますよね。

一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するため、つまりリフレッシュするために付与される休暇のことです。

賃金ありの「有給」で休むことができる、取得しても賃金が減額されない休暇です。

年次有給休暇は、労働基準法という法律で定められた労働者に与えられた権利なんです。

ココ大切ですよ ⇒ 年次有給休暇は「労働者に与えられた権利」なんですよ!

年次有給休暇が付与される要件は2つあります。

  1.  雇い入れの日から6か月経過していること
  2.  その期間の全労働日の8割以上出勤したこと

こちらも、労働基準法という法律で決められています。

会社によっては、この法律の定めよりも有利に設定している場合があります。

例えば、雇い入れたその日から付与されるなど。

それは、法的にはOK。

労働者にとってメリットがありますからね。

この2つの要件を満たした労働者は、初年度10日の年次有給休暇が付与されます。

1年を経過した日には、さらに11日の年次有給休暇が付与されます。その後も、労基法の定めによって増えていきますが、20日でMAXとなります。

年次有給休暇の繰り越しについても、労働基準法に定められています。

労働基準法第115条によると、年次有給休暇の請求権は2年で消滅します。

つまり、付与された有給休暇は2年以内に取得しなければならず、その期間を過ぎると失効してしまいますからね。

最近では、この消滅する年次有給休暇を更に繰り越せたりする優遇策を講じている会社もありますので、あなたの会社の基準を確認してみてください。

パートタイム労働者など、所定労働日数が少ない労働者についても年次有給休暇は付与されます。ただし、上記の場合よりも少なく、比例付与されます。

年次有給休暇の取得方法には、

  1. 労働者の申出による取得
  2. 会社の時季指定による取得

の2種類があります。

労働者の申出による取得とは、労働者が自分で希望する日に有給休暇を取得することです。

会社の時季指定による取得とは、会社が事業の運営上必要な場合に、労使協定を結んだ上で、付与された有給休暇のうち5日を超える部分について、時季を指定して取得させることです。

年次有給休暇の申請方法や期限は会社によって異なりますが、一般的には口頭、メール(チャット)、勤怠システム等を介して申請するなどで事前に申し出る必要があります。

何日前までに申請するかも会社ごとにルールがありますが、前日から1週間前くらいが多いようです。

ただし、会社側は事業の正常な運営を妨げる恐れがある場合に限り、会社側の都合として時季変更権を行使して有給休暇の取得日を変更させることができます。

この時季変更権は、かなり厳し目に判断されますので、現実的にはあまり変更されることはないと思ってもよいです。

年次有給休暇の取得理由は法律で決められておらず、会社側も聞くことはできません。

ココ大事! 

つまり、どんな理由でも有給休暇を取ることができます。

「かったるいから休む」

「遊びに行くから休む」

なんでもいいんです。リフレッシュが目的なのですから。

申請手続き上、何らかの理由を書くなり、入力しなければならないのであれば、「私用」と答えておけば何ら問題ありません。

ただし、会社側から理由を聞かれた場合や、理由を伝えた方がスムーズだと思う場合は、「役所の手続き」「家族や親戚との用事」「通院」「ボランティアなどの社会活動」など比較的納得してもらえそうな理由を伝えましょう。

正直、嘘でもOK。

私は「法律上、言う必要がありませんが?」と回答しています(笑)

上司が年次有給休暇を取らせてくれない時は、まずは会社の理由を聞いてみましょう。

もしかしたら、事業の正常な運営を妨げる恐れがあると判断された場合で、時季変更権を行使している可能性があります。

しかし、時季変更権も一定の要件を満たさなければ認められません。

会社は代替要員の確保ができないか十分に検討し、労働者と協議した上で、時季変更権を行使すべきです。

また、労働者が事前の調整を経ることなく長期の年休を請求した場合には、会社にある程度の裁量的判断が認められます。

もし会社が合理的な理由もなく有給休暇を拒否する場合は、それは労基法違反、つまり違法です。

そのような場合は以下の方法で対処することができます。

  • 労働基準監督署に相談する(おすすめ)
  • 労働局に相談する(おすすめ)
  • 法的機関(法テラスがおすすめ)に相談する

ただし、これらの方法は時間や費用がかかったり、会社との関係が悪化したりするリスクもあります。そのため、まずは会社と話し合って解決しようと努力することが大切ですね。

②特別休暇(傷病休暇等)で休む

特別休暇とは、会社が独自に設ける休暇制度で、法律上の義務ではありません。

会社によっては特別休暇(傷病休暇等)が整っているかもしれませんので、その場合は、特別休暇(傷病休暇等)を使って休むことができます。

特別休暇(傷病休暇等)で休める日数や、有給か無給、休むための要件等は、会社それぞれですので、まずはあなたの勤める会社の就業規則を確認してみてください。

就業規則には、必ず特別休暇に関する条文があるはずです。

仮に、就業規則になくても、運用基準などの下位規範に定められていると思います。

就業規則なんて見たことないよ!

という場合は、人事部(会社によっては総務部等)に問い合わせてみてくださいね。

就業規則は、いつでも従業員が見られるようにしておかなければなりませんので、安心してお問い合わせください。

就業規則がないとか、隠しているようであれば、労基署に電話しちゃってください(笑)。

すぐに見られるようになりますよ。

隠すようであれば、もしかしたら、就業規則を定めていない、定めていても従業員に周知していない、定めていても労基署に届けていない等の、理由が考えられます。

③欠勤で休む

休暇と似たような言葉で、欠勤があります。

欠勤とは、本来出勤すべき日に、働く側の理由(自己都合)で休むことです。

ちなみに休暇とは、本来出勤すべき日に、一定の手続きをすることで働く義務が免除されること。前項の特別休暇には、このような性質があったのです。

欠勤について日本では明確な法律上の定義はありませんが、たとえば、本人の体調不良や私用での休みなどが欠勤扱いとなります。

雇用主との間で勤務することを約束(つまり雇用契約)している労働者は、出勤する義務がありますが、欠勤する権利はありません。

面白い考えですよね。「欠勤する権利はない」。

したがって、欠勤は雇用契約違反にあたります。

そうなると、欠勤した場合は、賃金は支払われません。

これを「ノーワーク・ノーペイの原則」といいます 。

欠勤した分の賃金を毎月の固定給から差し引くことを「欠勤控除」といいます。

また、管理職の場合は、通常この欠勤控除が免除されます。引かれないということ。

例えば、有給休暇を消化してしまい、特別休暇も使い切ってしまった後、欠勤で休んだとしても給与が控除されず支給されるのです。

「おおおおぉ、管理職っていいな~」と思うかもしれませんが、一方では、残業代はありませんからね。

これぐらいのメリットはあってもいいですよね(笑)

④休職で休む

休職とは、業務外でのケガや病気などにより従業員が長期的に会社を休みたいと申し出た場合、労働契約が継続されながらも業務につくことを免除される制度です。

会社側が就業規則等の定めにより休職を命じる場合もあります。

休職の理由や期間は、会社の就業規則によって異なります。

一般的なのが、労災ではない病気や怪我(これを私傷病[ししょうびょう]といいます)で一定期間働けなくなると休職に入ります。

期間は、勤続年数によって半年から一年半が多いと思います。

休職中は一般的に無給ですが、傷病休職の場合は健康保険から傷病手当金を受け取ることができる場合があります。

この傷病手当金は休んでいる間の経済的な支えになりますので、この後で、詳細を解説します。

また、健康問題で長期間休む際は、客観的な理由が必要です。

「体調が悪く就業できる状況ではないので3カ月休みたい」という主観的な理由だけで休ませてくれる会社はないですからね。

客観的な理由というのは、医師の診断書です。医師が診断して、長期療養が必要だと判断することが求められます。男性更年期障害で休職する場合も、当然診断書が必要だと考えてください。

この診断書は、病気で長期に休む際には必須になると思ってください。

次項で、この診断書について解説いたしますね。

診断書について知っておきましょう

診断書って、聞いたことありますか?

休むときには、必須となる書類になりますので、念のため整理しておきましょう。

診断書とは?

診断書とは、医師が患者の病名や症状を記載した書類で、会社や保険会社などに提出する書類のこと。

診断書は用途によって必要な項目が異なりますし、医師の判断によっても内容が変わることがあります。

診断書は有料で発行されることがほとんどで、料金は2,000円から1万円程度まで幅があります。私(運営者)は、5,000円でした。お安くはないですよね。

診断書をもらうには、医師に依頼して作成してもらう必要があります。

作成期間は病院によって異なりますが、おおむね2週間程度かかることが多いです。

私(運営者)は、その日の内に発行してくれました。

休職等、長期間休む際に発行してもらう診断書には、「いつまで療養が必要か」を必ず明記

してもらうようにしてください。

ときどき、この記載を拒む医師がいるらしいですが・・・。

なんで会社は診断書を求めるの?

この点を理解するには、雇用の法的性質を知らないとなりません。

あまり意識していないかもしれませんが、あなたは会社に入社する時「雇用契約」を締結しています。

この雇用契約と言うのは、会社は、従業員に賃金を支払う義務を負い、従業員は会社に役務を提供する義務を負う契約です。

あなたが、病気で休むとなると、会社に役務を提供することができなくなりますよね。

そうなると、法的には「債務不履行」状態になります。

債務不履行になると、損害賠償を求められたりするのですが、病気で休んでいる立場からしたら、「それはないだろう」とツッコミたくなりますよね。

そこで、通常会社は、その休み(債務不履行)にやむを得ない事情があるかを精査するのです。ちゃんと、医師が診断をして、病気であるお墨付きが出れば、やむを得ないねと判断してくれるわけです。そのお墨付きが「診断書」というわけ。

なので、しっかりとした診断書を用意しないと、「債務不履行だ!損害賠償だ!」となってしまうのです。

なので、ちゃんと診断書は用意するようにしてくださいね。

男性更年期障害で診断書は書いてもらえるの?

でも、男性更年期障害で診断書が出るのか不安に思いますよね。

出ます。安心してください。

私(運営者)の場合、「加齢男性性腺機能低下症候群(Late-Onset Hypogonadism」いわゆる「LOH症候群」という疾患名で診断書を書いてもらいました。

特に、主治医の対応も問題なく、すんなり書いてもらえましたので、安心してください。

男性更年期障害で長期間休めるの?

結論から言うと、休めます。

私(運営者)は、男性更年期障害を理由に、2か月休みましたから、間違いありません。

私(運営者)は、男性更年期障害で2か月間、会社を休みました。

私は、この2か月間、年次有給休暇と欠勤で休みました。

まさかと思うかもしれませんが、事実です。

男性更年期障害は、立派な病気なので、その病気を理由として休むことは全く問題ありません。

経済面のお悩み  

休むことで、当然気になるのが収入ですよね。

給料が支払われないの?

「病気で休むときの制度は?」の項で解説していますが、休み方で給与が出る出ないがあります。

問題は、出ない時ですよね。以降で、公的支援策について見ていきましょう。

何か公的支援があるの?

病気で長期間休み時の公的な経済的な支援として、

  1. 傷病手当金
  2. 休業補償給付

があります。

それぞれ解説いたしますね。

傷病手当金

「傷病手当金」は、業務や通勤時に原因がなく労災に当たらない場合に、加入している健康保険から給付される手当金で、被保険者とその家族の生活を保障するために定められた制度です。連続3日休んだ後4日目から最長1年6ヶ月、休職前の給料(標準報酬月額)の2/3がもらえます。

満額ではありませんし、多くの残業をしていた場合と比較すると、目減りはしてしまいますが、休んでいる間の収入の柱になることは間違いありません。

注意事項としては、

  • 主治医の診断証明が求められます。
  • 振り込みまで、時間がかかります。
①支給要件

業務外の事由による病気やケガの療養のため

  • 仕事に就くことができない
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかった
  • 賃金を受けていない

という要件を満たしていないとなりません。

②支給額

 1日あたりの金額=(支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日×3分の2

③支給期間

1年6ヵ月

④申請方法

「健康保険傷病手当金支給申請書」を記入し、医師・会社にも証明してもらい、加入している健康保険の窓口へ提出します。通常は、人事部等を通じて手続きされることが多いと思います。

具体的な手続きについては、加入している健康保険組合や人事部にお問い合わせください。

休業補償給付

「休業補償給付」は、業務や通勤時の原因による休職、つまり労災にあたる場合に労災保険から受けられる給付制度です。

男性更年期障害は、高いストレスでも発症します。仮に、職場環境が原因で発症したとなれば、労災になります。

それぞれの支給要件や支給額、支給期間、申請方法などは以下のようになります。

①支給要件

業務上の事由または通勤による負傷や疾病による療養のため

  • 労働することができていない
  • 賃金を受けていない

という要件を満たしている必要があります。

これを、「労災認定」といいます。

労災認定についても念のため押さえておきましょうか。

労災認定とは

労災認定とは、労働者が業務上の事由や通勤によって負傷や疾病にかかった場合に、労災保険の給付を受けるための判断をすることです。労災認定は、労働基準監督署が行います。

労災認定を受けるには、一定の基準を満たさなければなりません。

基準は、事故による負傷や死亡の場合と疾病の場合で異なります。

事故による負傷や死亡の場合は、「業務遂行性」と「業務起因性」の2つを満たす必要があります。

  • 業務遂行性:労働者が使用者の支配下にある状態で負傷したことを意味します。
  • 業務起因性:労働者に生じた災害と業務に関連性があったことを意味します。

疾病の場合は、「職業病リスト」と呼ばれる法令で定められた疾病かどうかが重要です。職業病リストに掲げられている疾病であれば、原則的に労災認定されます。掲げられていない疾病でも、個別事案ごとに検討して労災認定される可能性があります。

ちなみに、職業病リストの内容は、労働基準法施行規則別表第一の二と、これに基づく厚生労働大臣告示で定められています。

職業病リストには、以下の11種類の疾病が掲げられています。

  1. 業務上の負傷に起因する疾病
  2. 物理的因子による疾病(紫外線や電離放射線などによるもの)
  3. 身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する疾病(重量物を取り扱う業務などによるもの)
  4. 化学物質等による疾病(ベンゼンやアスベストなどによるもの)
  5. 粉じんを飛散する場所における業務によるじん肺症やじん肺法で定められた合併した疾患
  6. 細菌、ウイルス等の病原体による伝染性疾患(患者の診断や看護などで感染するもの)
  7. がん原性物質若しくはがん原性因子又はがん原性工程における業務によるがん
  8. 長期間にわたる長時間の業務その他血管障害を著しく増悪させる業務による脳出血や心筋梗塞など
  9. 人命救助など心理的負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動障害
  10. 厚生労働大臣が指定するその他の職業病
  11. その他業務上明らかな原因と関係して発生したと認められるもの
②支給額

休業(補償)給付=(給付基礎日額の60%)×休業日数

休業特別支給金=(給付基礎日額の20%)×休業日数 

 ※休業の初日から第3日までを待機期間といい、この間は業務災害の場合は会社が労働基準法の規定に基づいて休業補償を行います。

③支給期間

休業補償給付の支給期間は、前項の支給要件を満たしている限り制限なしです。 

※ケガや病気が治るなどして支給要件を満たさなくなれば、それ以降は休業補償を受けることができなくなるため、注意が必要です。

④申請方法

「休業補償給付支給請求書」または「休業給付支給請求書」を提出します。

 以下の手順によって給付を受けることができます。

  •  会社・医療機関が請求書に証明
  •  被災労働者(あなた)が請求書を労働基準監督署に提出
  •  労働基準監督署からあなたに支給決定通知が来る
  •  厚労省を通じてあなたが支払いを受ける

以上が、休職期間中に受けられる公的な経済的サポート2種の概要です。

キャリアのお悩み  

最後がキャリアのお悩みです。

評価は下がるの?

病気で長期間休むと評価が下がるかどうかは、会社の人事考課制度やケースバイケースによって異なります。

一般的には、正当な欠勤理由である体調不良だけで人事評価を下げることはできないとされています。

人事評価は業務の成果や能力に基づいて行われるものであり、欠勤の回数や理由だけで評価を下げることは公正査定義務違反にあたる可能性があるからです。

ここで、あまり聞き馴染みのない「公正査定義務違反」について触れておきますね。

公正査定義務とは

公正査定義務とは、人事考課における信義則の一つで、使用者は労働者を評価する場合、その能力や成果に基づいて公正に評価しなければならないという義務をいいます。公正査定義務は、労働契約法の第34条で規定されています。この条文は以下のようになっています。

「使用者は、労働者の職業能力の公正査定を行うことができるようにするため、必要な措置を講ずるものとする。」

この条文では、「必要な措置」として具体的に何をすべきかは示されていませんが、判例や学説では以下のようなことが挙げられています。

  • 評価基準や評価方法を明確に定め、社内に開示すること
  • 複数の評価者による多面的評価や労使間の双方向の目標管理を行うこと
  • 評価結果を処遇に反映するためのルール作りやフィードバックを行うこと
  • 評価結果や根拠を説明し、不服申し立てや再考査定の機会を設けること

これらの措置は、労働者が納得感や信頼感を持って人事考課制度に参加できるようにするためのものです。

また、不当な人事考課が行われた場合には、裁量権の濫用や不法行為・債務不履行等として会社が責任を負う可能性があります。

ただし、体調不良による欠勤が頻繁であったり、業務遂行に支障をきたしたりする場合は、その影響を考慮して評価することが妥当になります。

あなたに、そのような事がないのであれば、正当な欠勤理由である体調不良だけで人事評価を下げられることはないと思って差し支えないですよ。

そもそも、無断欠勤や正当な理由がない欠勤については、懲戒処分や減給などの措置を取ることが可能になる事象ですからね。

次に、評価に伴う昇進・昇格についてですが、確かに、休職がその後の昇進や昇格に影響を与える可能性があることは否めません。

しかし、「休職すれば評価が下がるので無理をしてでも働こう」と考えるのは危険です。

心身の不調が改善されないまま業務を続けても高い成果は見込めず、さらに体調が悪化し、働けなくなるリスクが高まるからです。

健康を損なってしまっては元も子もありませんからね。将来への不安な気持ちは分かりますが、健康が第一です。これは、声をBIGにして言いますよ。健康第一ですからね。

健康回復に努めれば、将来的にも仕事にもプラスに働くと思います。

人事評価よりも大切なことは自分自身の健康だということを忘れないでくださいね。

役職を下ろされる?

病気で長期間休むと役職から外されるか、気になりますよね。

病気で長期間休むと役職が外される可能性はありますが、それが必ずしも合法的な処分とは限りません。

病気休職は、労働者の健康保持や療養を目的とする制度であり、その期間中に勤務実績がないことを理由に役職を降格することは、不合理であって不当な人事措置となり得ます。

ただし、病気休職から復職した後に、業務能力や適性の低下が明らかであって、当該役職に耐えられない場合や、業務上の必要性がある場合には、役職降格も正当化される場合があります。

また、病気休職制度の対象者や期間・処遇等については会社の裁量に委ねられますが、正規労働者と非正規労働者との間で不合理な差別をしないよう注意する必要があります。

役職降格を回避する方法

役職降格を回避する方法としては、以下のような対策が考えられます。

  • 病気休職中や復職後に定期的に主治医の診断書や医師意見書を提出して状況を報告することで、自身の健康状態や業務能力への影響を明確化する。
  • 復職時にリハビリ勤務(試し出勤)や部署異動等の配慮を求めてみることで、負担軽減や適応促進を図る。
  • 役職降格処分が発令された場合には弁護士等専門家に相談してみることで、その妥当性や無効性を判断してもらう。

キャリアに影響があるの?

病気で長期間会社を休むと、キャリアに影響が出る可能性はありますが、それが必ずしもマイナスの影響とは限りませんよ。

病気休職の理由や期間、復職後の業務能力や適性、職場環境や人事評価制度などによって、キャリアへの影響度合いは異なります。

一般的には、一過性の病気やケガで休職した場合よりも、再発性の高いメンタルヘルス不調で休職した場合の方が、キャリアへの影響が大きいと言われています。

メンタルヘルス不調で休職した場合は、復職後も再発防止や負担軽減のために業務内容や量を変更したり、部署異動や配置転換を行ったりすることが多くあります。

これらは一見デメリットに見えますが、仕事へのモチベーションや自信を取り戻すために必要な配慮です。

キャリアへの影響を最小限にとどめる方法

キャリアへの影響を最小限にとどめる方法としては、以下のような対策が考えられます。

  • 休職中も定期的に主治医から診断書や医師意見書を提出し、自身の状況を報告することで信頼関係を保つ。
  • 復職時に主治医から復帰診断書を提出し、就業上の配慮事項を明確化することで無理なく働けるようサポートを受ける。
  • 復職後も産業医や人事担当者などからフォローアップを受けることで業務遂行能力や適性を評価してもらう。
  • 職場復帰支援プランに沿って段階的に業務内容や量を増減させたり、部署異動や配置転換等の人事労務管理上の配慮等、自身が望む形でキャリア構築していく。

思い切ってキャリアチェンジをしてみる

男性更年期障害で長期間休んだことは、必ずしもキャリアにマイナスの影響を与えるとは限りません。逆に、自分の心身の状態や仕事への向き合い方を見直すきっかけになり、新たな可能性や適性を発見することもあります。

そんな時、思い切ってキャリアチェンジを考えてみるのも良いかと思います。

キャリアチェンジする場合は、自分の強みや興味・関心・価値観などを把握し、それに合った職種を検討することが大切です。

もし、今の会社を転職するという考えになったら、男性更年期障害の経験を活かして、同じような悩みを持つ人たちに寄り添うような仕事に就くことも考えてもいいかもですね!

例えば、以下のようなキャリアチェンジが挙げられます。

  • メンタルヘルスカウンセラーや産業カウンセラーなどの専門家になる
  • メンタルヘルス関連の教育・啓発活動やコーチングサービスなどを提供する
  • メンタルヘルス関連の商品やサービスを開発・販売する
  • メンタルヘルス対策に積極的な企業や団体で働く

まとめ

これらの心配事は、男性更年期障害の症状を悪化させる可能性もあります。

そこで、重要なのは、自分の状態を受け入れて、適切な治療やケアを受けることです。

避けなければいけないのは、無理をして仕事を続けること。

体調が余計に悪化し、場合によっては将来に渡って働くことができなくなることもあることを、しっかり理解しなければなりません。

こんなことを言っては怒られるかもしれませんが・・・

  • あなたが休んでも、会社は困りません・・・
  • あなたが休んでも、上司や部下は大して悲しみません・・・
  • あなたが無理しても、会社は面倒をみてはくれません・・・
  • あなたが無理をして働けなくなっても、会社は面倒をみてくれません・・・

健康は、あなたの財産です。

健康は、あなただけの財産です。

この財産を脅かすことは絶対に止めてください。

苦しいときは、会社(仕事)を休んでください。

休むことは、悪くありません。

長い人生、立ち止まっても、回り道してもいいじゃないですか。

長期に休むというこの経験は、あなたのこれからの人生にとって、かならず良い効果をもたらせてくれます。よいきっかけを与えてくれます。

男性更年期障害は一時的なものです。

必ず、治ります。

自分だけではなくて周囲からもサポートされていることを忘れずに乗り越えてくださいね。

男性更年期障害の克服に必要なのは「ひとりじゃない」と思えること

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ABOUT ME
タツヤ
タツヤ
男性更年期障害予防改善アドバイザー
1971年生まれ。
2010年頃から動悸、めまい、発汗、倦怠感などの症状に悩まされる。
様々な病院で検査を受けるも原因が分からず『診断難民』状態に。
その間、体調は悪化するばかり。
2019年頃から体調不良(不定愁訴)が顕著に現れる。
2022年11月ホルモン検査の結果、男性更年期障害の診断を受ける。
以降、テストステロン補充療法を中心に治療を続け、合わせてテストステロンをアップさせるための生活習慣の改善に取り組み、2023年11月時点、テストステロン値も正常になり、男性更年期障害の症状は改善する。
現在は、自身の経験を活かし、SNS(X【旧Twitter】)やblog、同じ悩みを持つ方々によるコミュニティ、さらには各種メディア出演など通じて、男性更年期障害を中心としたメンズヘルスに関する情報を発信している。

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■スーパーJチャンネル(テレビ朝日)※2023/11/24放送
■スーパーJチャンネル(IAT岩手朝日テレビ)
■モーニングショー(テレビ朝日) ※2024/1/19放送
■Yahoo!Japan NEWS
■TBS NEWS DIG
■ぶんか社 comicタント(vol.50) 漫画(熊田プウ助『中年肉体百科』)の原作協力
■週刊SPA!(2024年 1/16・23号)
ほか

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