セルフケア(self-care)

男性更年期障害になったらアルコールは飲んでいいの? その量は? 飲み方は? 徹底解説します。

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男性更年期障害になったらアルコールは控えたほうがいいのでしょうか?リラックスできるから、ストレス解消からも飲んでも大丈夫という話もありますが、本当のところはどうなのでしょうか?

男性更年期障害とアルコールの関係については、疑問がつきません。確かに、ストレス解消には効果がありそうですが、生活習慣改善中や治療中に飲んでいいのかは気になるところですよね。今回は、男性更年期障害とアルコールの関係について掘り下げていきましょう。

どうもです! 

男性更年期障害予防改善アドバイザーのタツヤです!

私自身50歳を過ぎてから男性更年期障害に悩み、苦しみ、現在も様々な治療やセルフケアを実践しております。

このブログをお読みのあなたは、私と同じ50代、そして男性更年期障害に苦しんでいる方かも知れません。

いわゆる「L世代」ですね。

※「L世代」とは、「男性更年期障害の一歩手前の自覚症状があったり、男性ホルモンであるテストステロンが低下しやすい要因を抱える男性のこと」を言います。

「L世代」には悩みが尽きませんよね。

私は、男性更年期障害が、世間ではあまり知られていないことに、その悩みの原因があると思っています。

「L世代」の多くは、

  • 男性更年期障害の、ちゃんとした情報や知識を得られない
  • 男性更年期障害の、適切な治療を受けられない
  • 男性更年期障害について、周囲からの理解を得られない

など、”ないない”づくしの中で悩んでいると思います。

あなたが男性更年期症状の知識が十分じゃないことにより、今も様々な症状に悩み、そして苦しみ、もしかしたら、あなたが今まで苦労して積み上げたキャリアにも大きな影響が出ているかもしれません。

更年期障害は、これからというキャリアの充実期に始まることが少なくありませんからね。

通常の生活や仕事ができないほど辛い時は、直ぐに医療機関に相談してください。

決して放置はしないでください。

もしセルフケアで緩和したいと考えているのなら、このブログを通じて、総合的に知識を備えていただき、あなたの明るい未来のためのきっかけにしてください。

このブログでは、男性更年期障害に悩み苦しむ、そんなあなたのために、男性更年期障害について、私の実体験も踏まえて様々な切り口からの情報を発信してまいります。

それでは参りましょう!

男性更年期障害の時、アルコールは飲んでいいの?

結論、適量ならアルコールもOKです。

何事もですが「過ぎたるは猶及ばざるが如し」で、適量にとどめられるのであればアルコールもOK。

でも、その適量が気になりますよね。

次に、その適量について解説します。

アルコールの適量とは

アルコールも良薬と言われることがあります。

それは、適量を守るからです。

実は、厚労省では飲酒のガイドラインを定めており、その中では「節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコールで20g程度の飲酒」としています。

国が、適量の目安を出しているのですから安心ですね。

厚労省では飲酒のガイドラインはコチラ

主な酒類の換算の目安をご紹介します。

表は、右方向にスライドしてご覧いただけます。

お酒の種類ビール(中瓶500ml)清酒(1合180ml)ウイスキー・ブランデー(ダブル60ml)焼酎(1合180mll)ワイン(1杯120ml)
アルコール度数5%15%43%35%12%
純アルコール量20g22g20g50g12g

つまり、節度ある適度な飲酒を心がければ、一時的な睡眠の導入を促し、眠りやすくなることも事実ですので、この”適量”を守れるかがポイントです。

もちろん、適量には個人差があるということは言うまでもありませんからね。

参考までに、次に厚労省推奨の飲酒の12のルールについてご紹介いたしましょう。

厚労省推奨の12の飲酒ルール

  1. 飲酒は1日平均2ドリンク(=20g)以下
    節度ある適度な飲酒を守りましょう。
  2. 女性・高齢者は少なめに
    中年男性に比べて、女性や高齢者は飲酒量を控えることをおすすめします。例えば1日350mLの缶ビール1本以下を目安としてみましょう。
  3. 赤型体質も少なめに
    飲酒後にフラッシング反応を起こす人をここでは赤型体質とも呼びます。この体質はアルコールの分解が遅く、がんや様々な臓器障害を起こしやすいといわれています。
  4. たまに飲んでも大酒しない
    たとえ飲む回数が少なくとも一時に大量に飲むと、身体を傷めたり事故の危険を増したり依存を進行させたりします。
  5. 食事と一緒にゆっくりと
    空腹時に飲んだり一気に飲んだりすると、アルコールの血中濃度が急速に上がり、悪酔いしたり場合によっては急性アルコール中毒を引き起こします。またあなたの身体を守るためにも濃い酒は薄めて飲むようにしましょう。
  6. 寝酒は極力控えよう
    寝酒(眠りを助けるための飲酒)は、睡眠を浅くします。健康な深い睡眠を得るためには、アルコールの力を借りないほうがよいでしょう。
  7. 週に2日は休肝日
    週に2日は肝臓をアルコールから開放してやりましょう。そうすることで依存も予防できます。
  8. 薬の治療中はノーアルコール
    アルコールは薬の効果を強めたり弱めたりします。また精神安定剤と一緒に飲むと、互いの依存を早めることが知られています。
  9. 入浴・運動・仕事前はノーアルコール
    飲酒後に入浴や運動をすると、不整脈や血圧の変動を起こすことがあり危険です。またアルコールは運動機能や判断力を低下させます。
  10. 妊娠・授乳中はノーアルコール
    妊娠中の飲酒は胎児の発達を阻害し、胎児性アルコール症候群を引き起こすことがあります。またアルコールは授乳中の母乳に入り、乳児の発達を阻害します。
  11. 依存症者は生涯断酒
    依存症は飲酒のコントロールができないことがその特徴で、断酒を続けることが唯一の回復方法です。
  12. 定期的に検診を
    定期的に肝機能検査などを受けて、飲み過ぎていないかチェックしましょう。また赤型体質の習慣飲酒者は、食道や大腸のがん検診を受けましょう。

厚労省e-ヘルスネットより引用

このルールの中で注視するのが、下記の3つですよね。

❶飲酒は1日平均2ドリンク(=20g)以下
節度ある適度な飲酒を守りましょう。

寝酒は極力控えよう
寝酒(眠りを助けるための飲酒)は、睡眠を浅くします。健康な深い睡眠を得るためには、アルコールの力を借りないほうがよいでしょう。

❽薬の治療中はノーアルコール
アルコールは薬の効果を強めたり弱めたりします。また精神安定剤と一緒に飲むと、互いの依存を早めることが知られています。

「❻寝酒は極力控えよう」と「❽薬の治療中はノーアルコール」については、男性更年期障害にも大きく関わってきますので、この後詳しく解説いたしますね。

やってはいけないアルコールの飲み方

あなたはアルコールを飲むときは、いつ、どのようなシチュエーションですか?

  • 仕事が終わって、帰宅途中に飲みますか?
  • 帰宅後、夕ご飯を食べる時の晩酌ですか?
  • それとも夕食後に晩酌ですか?
  • もしくは、寝る前に寝床で1杯ですか?

おを飲むシチュエーションは人それぞれで良いと思います。

が、こと男性更年期障害に向き合うあなたには、絶対にやめるべき飲み方があります。

それは、”寝るため”に飲むアルコールです。酔いつぶれて寝てしまうのも同様です。

この、寝るためにアルコールを飲むことは、できる限りやめるべきです。

男性更年期障害を改善させたいなら尚更です。

この、寝るためにアルコールを飲むことをナイトキャップと言います。

ナイトキャップは、やめた方がいいです。

ナイトキャップとは、寝るために飲むお酒のこと。「寝酒」なんて言い方もします。

くどいですが、ナイトキャップは直ぐにやめましょう。

何故なら、ナイトキャップはあなたの睡眠の質を著しく下げてしまうからです。

男性更年期障害の予防や改善には、睡眠が超重要だと言うことは言うまでもありません。

男性更年期障害の生活習慣改善の「3種の神器」の一つですからね。

生活習慣改善の「3種の神器」

  • 運動
  • 食事
  • 睡眠

その重要な睡眠に悪影響を与えるのがナイトキャップなのです。

男性更年期障害を悪化させて苦しむのはあなた自身です。そうなれば、パートナーや家族も苦しむことになりますよ。

でも、寝られない時、眠りたい時、アルコールの力を借りたくなる気持ち、よくわかります。

わたしも、何度も何度も経験してますから。

しかし、本気で男性更年期障害を改善させたいと思っているのなら、覚悟を決めるべき大事なことです。

私は、ナイトキャップはもちろんの事ですが、本気で男性更年期障害に勝つためにアルコールを断ちました!

もちろん、アルコールを断つまではどうしても難しいという場合まあるでしょうから、せめてナイトキャップだけはやめる様にしてください。

なぜ、ナイトキャップを止めた方がいいのかを、次に詳しく解説しますね。

睡眠に誘うアデノシン

睡眠に深く関わる物質に「アデノシン」というものがあります。

「アデノシン」というのは、人が体が活動するときのエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)が代謝してできる物質で、起きて活動する時間が長くなればなるほど、体内に溜まっていきます。

実は、アルコールには、この「アデノシン」の分泌量を急激に増やす作用があります。

この「アデノシン」が急激に増えると、人は眠気を覚えます。

お酒を飲んでいると、あくびが出ますよね。

あれは、体内でアデノシンが増えてきている証拠なんです。

私も、飲むとすぐに眠けに襲われます。あくび出まくりです。

という話しを聞いたあなた!

今、「アルコール飲んで、眠れるのならいいじゃん?」って思いました?

確かにアルコールを摂ることで眠れることは眠れるのですが、残念ながら男性更年期障害に向き合う必要のあるあなたには絶対におススメ出来ない方法です。

というか、今すぐにでも止めるべきです。

その理由は、次項で解説しますね。

レム睡眠とノンレム睡眠とは

アルコールを摂ることによる睡眠は、睡眠の質であるリズムを崩してしまうんです。

寝てはいるけど、リズムがガタガタで、カラダも脳も、一向に休めていないのです。

レム睡眠、ノンレム睡眠って聞いたことありますか?

それぞれ、次の特徴をもっています。

  • レム睡眠:浅い睡眠状態
  • ノンレム睡眠:深い睡眠状態

自然な睡眠状態では、このレム睡眠とノンレム睡眠が交互に訪れるリズムを保っています。

もう少し詳しく解説しますね。

体の眠り「レム睡眠」

レム(REM)睡眠のREMは、Rapid Eye Movememt(急速な眼球運動)の省略形。

筋肉が弛緩して体は眠っていますが、脳は覚醒に近い状態の睡眠で、この時に目ん玉がキョロキョロと動いていることから、この名前が付けられました。

ヒトはこのレム睡眠の時間帯に、その日一日に起きた記憶や感情の整理を行っていると言われています。

夢を見ているのも、このレム睡眠の時です。カラダはがっつり休んでいますが、脳はバリバリに活動していますからね。

ちなみに、学んだことが長期記憶へ変換されたり、技能として定着するのもこのレム睡眠時です。

脳の眠り「ノンレム睡眠」

ノンレム睡眠は体も脳もグッスリと眠って休息している状態です。

通常のヒトの睡眠リズムでは、眠りに落ちてまずノンレム睡眠が現れ、次にレム睡眠が出現するサイクルを、およそ90分の単位で繰り返しています。健康な睡眠では、一晩にこのサイクルが4,5回行われて、約6-8時間ほどの睡眠時間となります。

ノンレム睡眠のもっとも深い(S4)時に成長ホルモンが分泌されることが明らかにされており、「寝る子は育つ」という諺も科学的に実証されたといえます。

この、レム睡眠とノンレム睡眠の連携が、あなたの睡眠の質には欠かせないのです。

それを崩す原因になるのが、アルコールなんです。

不眠対策でのアルコールはダメ

寝られない時に、くいっと1杯飲んで寝たことありますよね?

私は何度もあります。

特に強めのウイスキーをストレートで飲んだりしていました。

確かに、寝られます。しかも、大きなイビキをかいて。

一見、眠りについているようですが、自然な睡眠リズムは崩れた状態。

レム睡眠とノンレム睡眠の連携が取れていません。

質の良い睡眠のためには、レム睡眠とノンレム睡眠には次の様な連休が必要です。

「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2つの睡眠は、90~120分周期で交互に繰り返していて、バランスよく取ることで良質な睡眠につながります。

この周期を「ウルトラディアンリズム」といいます。

この「ウルトラディアンリズム」が不安定になってしまうと睡眠の質が低下し、健康状態に悪影響を及ぼしてしまいます。

そして、「ウルトラディアンリズム」に影響及ぼすのが、アルコールというわけです。

アルコール摂取後した眠りでは、まず通常のレム睡眠より”深い”状態のレム睡眠が現れます。

しかし、睡眠の恒常性(ホメオスタシス)を保とうとする体の作用が働き、その後のサイクルで出現するレム睡眠は逆に通常のレム睡眠よりずっと”浅い”睡眠となってしまいます。

そのため、結局は睡眠が浅く心身の疲れが十分に取れてなかったり、また、途中で起きてしまいその後眠れなくなるなどの途中覚醒が起きてしまい、疲れが残ったままになるのです。

この疲れが、男性更年期障害の症状の引き金になってしまうのです。

また、「深く寝れば短時間の睡眠でも大丈夫」と考えている方もいるでしょう。

質の良い眠り=深い眠り

というイメージを持つかもしれませんが、深い眠りであるノンレム睡眠優位だけでは、脳にも身体にもよくないのです。

レム睡眠が不足すると、思考力の低下や精神的な不安定などを招くこともあります。

また、アルコールには利尿作用があります。

深酒をすると、夜中に何度もトイレに起きる経験ありませんか?

ビールなんかは特に、利尿作用が強く出ます。

途中で起こされたことになり、そうなると当然眠りのリズムは崩されますよね。

睡眠の質を下げない飲み方があるの?

アルコールが睡眠の質に悪影響があると言うのは、耳タコ(耳にタコができるぐらいわかりました)ですが、なんとか睡眠に影響を与えないように飲むことはできないの?という声が聞こえてきます。

もちろんありますので、ご安心ください。

それは、「逆算飲み」です。

逆算飲みをする

「逆算飲み」とは、アルコールが体内で分解され、睡眠に影響を与えない時間を逆算して飲む方法のこと。

体内にアルコールや、アセトアルデヒド(アルコールが分解・排出される途中で発生する物質で、体の覚醒度を高めます)が残っている状態で眠りにつくことは、睡眠の質を大きく下げてしまうため良くありません。

ちなみに、ビール中瓶1本が完全に分解されるために必要な時間は男性(体重68キロを想定)で約4時間、女性(体重52キロを想定)で約5時間程度。

アルコールを飲む際は、就寝前の4~5時間以内は避けます。

22時に就寝するのであれば、遅くとも20時ぐらいまでには飲酒のを終えるのが理想です。

しかし、仕事終わりなどに飲みに行けば、遅くなることもあるでしょう。

そんな時は、チェイサーを飲むようにしてください。おススメは水です。

チェイサーとは、英語の「chaser」から来ているのですが、「追いかけるもの」という意味です。

最初に飲んだお酒の後に飲むことから、チェイサーと呼ばれるようになりました。

私は、水やお茶をチェイサーで飲むことが多かったのですが、メインで飲むお酒よりもアルコール度数が低いものを指してチェイサーといいますので、お水はもちろん、お茶やジンジャーエール等、ノンアルコールの飲み物でも構いません。

極端な話、ウイスキーのチェイサーでビールなんてことも言えるのです。

おかしなことかもしれませんが。

アルコール飲んでいる時、薬は飲んでいい?

普段、アルコールを飲んでいる人は、薬との飲み合わせは気になりますよね。

結論からすると、アルコールを飲んでいる時、または飲んで間もない時間帯薬を飲むことは控えなければなりません。

というのも、アルコールの摂取によって薬の作用が強くなったり、または弱くなったりしたり、予期せぬ副作用が現れるためです。

例えば、催眠鎮静剤、抗不安剤、抗精神病剤、抗ヒスタミン剤(めまい、頭痛、呼吸の抑制等)、降圧剤(たちくらみ、起立性低血圧誘発)などは、アルコール自体の作用(中枢神経抑制作用や血管拡張作用)により作用が強く現れるため注意が必要です。

これらの薬は、男性更年期障害ではおなじみの薬ですからね。

でも、中には平気で飲んでいる(アルコール、薬とも)方も少なくないです。

ちなみに、私の主治医も「ビールで薬を飲んでる」なんて豪語(冗談?)を言っていました。

もちろん、真似はしませんでしたけどね。

一番気になるのが、薬局で薬を処方されるとき、薬剤師からアルコールの摂取について、ほとんど注意を受けたことはありません。

ほんと疑問です。

まとめ

最後までお読みくださりありがとうございました。

今回は、男性更年期障害とアルコールをテーマにまとめてみました。

まず、男性更年期障害になった時にアルコールは飲んでいいのかについてですが、適量であればOKでした。

その適量と言うのは、厚労省の基準にある通り、1日あたり純アルコールで20gです。

例えば、ビールなら500mlまで。ロング缶1本ですね。

次にやってはいけない飲み方が、ナイトキャップです。

そう、寝るためにアルコールを飲む行為のこと。

寝ることはできるのですが、睡眠の質が著しく低下するという弊害が起きるのです。

質が低下すると、疲れが取れず、男性更年期障害の様々な症状の引き金になってしまうということ。

本当は飲まないに越したことはないのですが、アルコールを止められない方は、逆算飲みをするようにしてください。

適量のアルコールが体内で分解されるまでの時間は、4~5時間程度。

この時間を逆算して飲めば、睡眠の質を下げずに眠ることができます。

どうしても、この時間が取れない方は、チェイサー(水など)を飲み、少しでも体内のアルコール濃度を下げる様にしてください。

最後に、アルコールと薬の服用ですが、これは完全にアウトです。

アルコールの摂取によって薬の作用が強くなったり、弱くなったりしたり、副作用が現れたりするために、絶対にやめましょう。