読者インタビュー②:見えない敵との闘い!52歳男性が語る、男性更年期障害との壮絶な日々
「見えない敵」・・・更年期障害
更年期障害というと、女性特有のものだと考える人が多いかもしれません。
しかし、実は多くの男性も、この「見えない敵」と人知れず闘っています。
52歳のケンジさんも、メンタル不調など、他の病気の影響だと思い込んでいましたが、実は男性更年期障害が原因だったのです。
診断に至るまでの道のりは、原因不明の症状と戦い続けた苦しいものでした。
「すべての症状が合致したとき、心の中で“やっと見つけた”という感覚がありました。」と語るケンジさん。
このインタビューでは、ケンジさんの壮絶な経験を通じて、男性更年期障害の実態に迫ります。
治療の効果、仕事や日常生活への影響、そして、ケンジさんが今も続けているセルフケアの重要性まで、包み隠さず語っていただきました。
「これからもパートナーと楽しく過ごしたいという思いが、男性更年期障害を乗り越え、前向きに進むための支えでした。」・・・その言葉には、男性更年期障害という困難を乗り越えた確かな自信と希望が込められています。
あなたも、ケンジさんのようにこの「見えない敵」に打ち勝ち、希望に満ちた未来を手に入れることができるはずです。
ケンジさんのストーリーが、あなたの”その”第一歩となることを願っています。
ケンジさん、この度はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございます。
今回、このようにご自身の経験をお話ししていただけることに心から感謝します。そして、ケンジさんがこれまでに向き合ってこられた困難や、それを乗り越えて今日に至るまでの険しい道のりに、深く敬意を表します。
今回のインタビューでは、ケンジさんが男性更年期障害とどのように向き合い、どんな経験をされてきたのかをお聞かせいただき、同じように苦しんでいる多くの男性や、そのパートナーの方たちにとって参考になるお話を伺えればと思っています。
男性更年期障害は、まだまだマイナーで、多くの方に知られていないのが現実です。結果、男性更年期障害で悩んでいても、周囲に相談できなかったり、周囲から理解されないで苦しんでいる方も少なくありません。
ケンジさんの体験談を通じて、少しでも多くの方が男性更年期障害について知り、早期発見や早期治療など、適切なサポートが受けられる手助けができればと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
インタビューに入る前に、ケンジさんのプロフィールをご紹介しますね。
ケンジ(本名)さん、52歳独身男性。東京都在住。
40代後半から心身の変化を感じつつも根本的な解決に至らぬまま過ごす。
泌尿器科で検査を勧められ、男性更年期障害と診断。
2週間に1度のホルモン注射療法を継続中(2024年9月現在)。
男性更年期障害?まさか自分が!
男性更年期障害があることを知ったのは、報道でのこと。若い頃には自分に関係するとは思わなかった。ケンジさんがその現実に直面した瞬間とは?
早速お話を伺ってまいりたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
ケンジさんが男性にも更年期障害があることを知ったのはいつ頃のことですか?
はらたいらさんが体調を崩された報道(当時は雑誌だったと思います)ではじめて耳にしましたが、はらさんが更年期障害で苦しんでおられたというよりはうつ病だったというインパクトのほうが大きかったです。
また当時は自分も若く、更年期障害のイメージすらほとんどなく、男女問わず「加齢による心身の変化そのもの」に対してもはるか先という認識でした。
その後も何度か目にしたり耳にすることはあったと思いますが、更年期障害の検査を受けるまで自分とは無関係のものだと思っていました。
なるほど“はらたいら”さんの報道がきっかけだったのですね。
若い頃には、まさか自分に関係するとは思わなかったお気持ち、よくわかります。
今振り返ってみて、当時から男性更年期障害についてもっと早く意識、詳しく知っていたとしたらら、現在の状況に何か変化があったと思いますか?
変化があったと思います。幸いにも持病がなかったため、例えば、めまいなら耳鼻科、倦怠感や意識低下、睡眠障害は心療内科という「それぞれの症状にのみ」対処していました。
ホルモンという身体全体を左右するものが原因ではないか、というところまで意識が及ばず、それが泌尿器科の領域であることも知りませんでした。
私は以前から泌尿器科にかかっていたのでそれでも検査し、診断されるまでは早かったかもしれません。
思いもよらない診断の道のり
メンタル不調から心療内科での治療を続けるも、症状が改善せず・・・最終的に泌尿器科で男性更年期障害の診断を受けるまでの道のりは意外なものでした
どのようなきっかけで、ご自身の症状が男性更年期障害ではないかと考え始めましたか?
2015年夏から心療内科で睡眠導入剤(ゾルピデム錠)と抗うつ薬(レクサプロ錠)を処方してもらっており、2022年春頃から顕著になった男性更年期障害の症状(のぼせ・発汗、倦怠感、意欲低下、性欲低下など)もうつ病によるものだと思っていました(のぼせや発汗はもともと汗かきの体質でした)。
2022年秋から泌尿器科で高血圧(アムロジピン)と前立腺の薬(タダラフィル錠)を処方してもらうようになりましたが、検査を受けるまでは男性更年期障害とはまったく考えていませんでした。
2024年2月にその泌尿器科で男性更年期障害を疑ってみては?とのことで検査を受けました。
長い間、男性更年期障害ではないメンタルの病気として考えていた中で、泌尿器科で男性更年期障害の可能性についてアドバイスを受けられたのですね。
今振り返ってみると、泌尿器科医の診断は非常に的確だったと言えますね。
ただ、診断を受けるまでの長い道のり、本当に大変だったと思います。
私も10年、原因がわからず、診断難民状態だったので、その辛いお気持ちわかります。
診断難民状態を乗り越えた今のりょうさんにとって、その経験はどのような意味を持っていますか?
また、男性更年期障害の診断を受けた後、最初に感じた感情(気持ちの変化等)や、実際に行動したことは何でしたか?
泌尿器科を受診したきっかけは「下腹部の違和感、突発的な尿意、残尿感」がきっかけでした。
エコー検査の結果、前立腺が肥大しつつあることがわかりました。
あわせて高血圧の薬も処方してもらうことになり、先生とのやり取りが重なるうちに検査に行きついたので、それまでの心身の不調の原因がわかるかもしれないという安堵の気持ちがとても大きかったです。
診断結果を聞いたときは、すべての症状が男性更年期障害のそれと合致していたので素直に納得ができ、一種の爽快感すらありました。
同時に、「どうしたらよいのか」という道筋もわかったような気がしましたし、「男性更年期障害」をあらためて調べてみるとたくさんの情報を得られました。
周囲の同年代以上の男性(上司、同僚、友人、知人、父親)に深刻にならないトーンで様子を聞いてみたりしました。
しかし、周囲には私ほど顕著に男性更年期障害の症状を経験している方はおらず、具体的に治療や対処について聞くことはできませんでした。
不調の原因がわかった時の安堵の気持ち、とても共感します。
人は、原因がわからないことに、不安感や恐怖感を覚えますからね。
原因がわかれば、対処法がわかります。
それだけで、希望の光が見えてきますからね。
日常が変わり始めた男性更年期障害のサイン
意欲低下、感情の起伏、性欲の減退・・・りょうさんが日常の変化を感じ始めたとき、それが男性更年期障害だとは思わなかった
最初に感じた男性更年期障害の症状は何でしたか?
意欲低下(楽しめていたことが楽しめない、仕事に対するモチベーション低下)、コントロールが難しいほどの感情の起伏(特にイライラや怒り)、性欲の減退です。
意欲低下や感情の起伏、性欲の減退といった症状に苦しんでいらっしゃったのですね。
これらの症状が日常生活に与えた影響は大きかったことでしょう。
どのようにしてその状況を受け入れ、前に進もうとしたのか、ぜひお聞かせください。
幸いにも持病や食品のアレルギーもない私にとり、はじめて食生活や生活習慣を見直すきっかけになりました。
同時に「加齢とはこういうことなのか」という心境でした。
前に進もうという大きな考えよりは、この状況をどうにかしたいという気持ちのみでした。
脱線するかもしれませんが、現在のパートナーが年下なので少しでも相手にとっても自分自身も楽しく過ごしたいという気持ちも大きかったです。
パートナーの存在は大きいですよね!
診断までの紆余曲折
コロナ後遺症や薬の副作用だと思っていた症状。男性更年期障害と診断されるま