治療(treatment)

hCGホルモンの注射が男性更年期障害に効くって本当?エナルモンデポーとの比較や注意点を解説!

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最近、何となく体調が悪い・・・疲れやすくなったり、イライラしたり、性欲が低下したりしている・・・原因に思い当たることがない・・・加齢のせい?

でも、これらはただの加齢のせいだけではありません。

あなたは男性更年期障害を発症している可能性が高いです。

男性更年期障害とは、男性ホルモンの減少によって引き起こされる身体的・精神的の他、性機能などの不調のことで、40代から60代の男性の約3割が悩んでいます。

この記事では、男性更年期障害専門のテス活マイスターである私(運営者)が、男性更年期障害に効果的な治療法の一つであるhCGホルモン製剤注射について詳しく解説します。

hCGホルモン製剤注射は、テストステロン補充療法と比べると、まだあまり馴染みのない治療法かもしれません。

しかし、最近、じわじわ注目されてきています。それには当然理由があります。

hCGホルモン製剤注射には、もちろんデメリットや副作用もあります。受ける前に知っておきたい注意点や比較ポイントもお伝えします。あなたの健康や生活の質を向上させるために、ぜひこの記事を読み進めてくださいね。[/chat]

男性更年期障害とは何か?症状や原因を知ろう

男性更年期障害とは、男性ホルモンの減少によって引き起こされる身体的・精神的の他、性機能などの不調のことです。

男性ホルモンとは、主にテストステロンというホルモンのことで、男性らしさや活力を支える重要な役割を果たしています。

しかし、加齢やストレスによって分泌量は減少していきます。

特に40代から60代の間に急激に低下することが多く、その結果、身体や心にさまざまな影響が出てきます。

男性更年期障害は、女性の更年期障害と似ていますが、女性の場合は月経が止まることでホルモンバランスが崩れるのに対し、男性の場合は主に加齢によって徐々にホルモン量が減っていくため、症状が現れる時期や程度は個人差が大きいです。

また、女性の場合は閉経後もエストロゲン補充療法などでホルモンバランスを整えることができますが、男性の場合はそういう治療法が一般的ではありません。

そのため、男性更年期障害は女性よりも長く続く可能性があります。

男性更年期障害の症状は大きく分けて3つあります。

それは、身体的症状、精神的症状、性機能症状の3つです。

身体的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 疲れやすくなる
  • 筋力や体力が低下する
  • 体重や体脂肪が増える
  • 髪の毛やひげが薄くなる
  • 骨粗しょう症や動脈硬化などの生活習慣病にかかりやすくなる

精神的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • イライラや不安感が増す
  • 気分が落ち込んだり泣きたくなったりする
  • 自信や自尊心が低下する
  • 集中力や記憶力が低下する
  • 睡眠障害や食欲不振が起こる

精神的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 性欲が低下する
  • 勃起不全や早漏などが起こる
  • 精子量や精子運動率が低下する

これらの症状は、男性更年期障害の典型的なものですが、すべての人に同じように現れるわけではありません。

また、これらの症状は他の病気などによっても引き起こされる可能性があります。

そのため、自分が男性更年期障害かどうかを判断するには、医師に相談して検査を受けることが必要です。

男性更年期障害の原因は、主にテストステロンの減少ですが、それだけではありません。

テストステロンは、脳下垂体と睾丸という器官の働きによって分泌されます。

脳下垂体は、LHというホルモンを出して睾丸にテストステロンの分泌を促します。

睾丸は、LHの刺激を受けてテストステロンを作ります。

LHについては、この後に詳しく解説していますので、流してOKです。

しかし、年齢とともに脳下垂体のLH分泌量が減ったり、睾丸のテストステロン生成能力が低下したりすることで、テストステロンの分泌量が減ってしまいます。

また、テストステロンは血液中でSHBGというタンパク質に結合して運ばれますが、SHBGの量も年齢とともに増えます。

SHBGに結合したテストステロンは活性化されず、無効化されてしまいます。

SHBGとは

SHBG(Sex Hormone-Binding Globulin)は、性ホルモン結合グロブリンと呼ばれるタンパク質です。このタンパク質は、体内で性ホルモンであるテストステロンやエストラジオール(エストロゲンの一種)を結合し、運ぶ役割を担っています。

そのため、血液中にあるテストステロンのうち、実際に効果を発揮するフリーテストステロンの割合が低下してしまいます。

さらに、テストステロンは肝臓や脂肪組織でエストロゲンという女性ホルモンに変換されることもあります。

エストロゲンは男性にも必要なホルモンですが、過剰になると男性ホルモンの働きを阻害したり、乳房の肥大化や前立腺肥大などの副作用を引き起こしたりします。

以上のように、男性更年期障害は複雑なメカニズムで起こる現象です。

しかし、それだけではありません。

男性更年期障害は生理的な要因だけでなく、心理的・社会的な要因も大きく関係しています。

例えば、以下のような要因が挙げられます。

  • 仕事や家庭でのストレスや悩み
  • 職場での競争やプレッシャー
  • 家庭での役割や責任
  • 子供や配偶者との関係
  • 身体的な老化や衰え
  • 人生観や価値観の変化
  • 死や孤独への恐怖

これらの要因は、男性更年期障害の症状を悪化させたり、新たな症状を引き起こしたりする可能性があります。

逆に言えば、これらの要因を改善したりすることで、男性更年期障害の症状を軽減したり、予防したりすることができます。

つまり、男性更年期障害は、身体だけでなく心や社会との関わりにも注意を払う必要があるということです。

男性更年期障害は、多くの男性が経験する可能性のある現象ですが、それぞれの症状や程度は個人差があります。

また、男性更年期障害は生理的な要因だけでなく、心理的・社会的な要因も大きく関係しています。

そのため、自分の状態を正しく把握するためには、医師に相談して検査を受けることが大切です。

また、自分の生活習慣や心のケアも見直すことが必要です。

次の見出しでは、最近男性更年期障害の治療法で注目を浴びているhCG療法について詳しく解説します。

hCG療法とは何か、どんなメカニズムや効果があるのか、メリットやデメリットは何かなどについてお伝えします。

ぜひ最後までお読みください。

hCG療法とは?男性更年期障害の改善や予防に効くメカニズムを解説

hCG療法とは、男性更年期障害の改善や予防に効く最近注目の治療法の一つです。

日本では、まだまだ知名度はないですが、欧米諸国では人気の治療法です。

hCGとは、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(Human Chorionic Gonadotropin)の略で、妊娠中に胎盤から分泌されるホルモンです。

このhCGを使ったhCG療法のことを、「ゴナドトロピン療法」と言ったりもします。

ごなどとろぴん??・・・言い馴れないですね(苦笑)

テストステロンの分泌は脳からの命令でコントロールされていますが、その命令は、脳下垂体から分泌される黄体形成ホルモン(LH)※以下「LH」と、視床下部から分泌される黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)※以下「LHRH」のバランスで調整されています。

LHとは
  • LH とは、luteinizing hormoneのことで、黄体形成ホルモンと訳されます。LHは下垂体前葉から分泌されテストステロンと関係の深いホルモンです。
  • LHRHとは、Luteinizig Hormone-Releasing Hormoneの略で、黄体化ホルモン放出ホルモンと訳されます。女性ホルモンを分泌するために視床下部から分泌され、黄体形成ホルモン(LH)や卵巣刺激ホルモン(FSH)の分泌を促進します。

LHRHは「LH!もっと分泌させて!!」という命令するホルモンで、LHがある程度増えるとLHRHは沈黙します。

テストステロンが少ないとLHの分泌が増えて、テストステロンを増産させるように働きます。逆に、テストステロンが十分あるとLHの分泌が抑えられて、テストステロンの分泌も抑えられます。

このようにして、LHとテストステロンはお互いにフィードバック制御を行っているのです。

しかし、男性更年期障害が発症すると、LHRHが分泌されてもLHに対する精巣内の反応が鈍くなります。

この変化が原因で、男性ホルモンであるテストステロンの生成量が減少し、体内のバランスが乱れるため、LHの分泌量も少なくなるのです。

要するに、男性更年期障害の発症によって、脳から下垂体、そして精巣への指令系統の働きが弱まり、体内の調整がうまくいかなくなる状態が起こるわけです。

そこで登場するのが、hCG!ヒト絨毛性ゴナドトロピンです。

hCGはLHと似たような働きを持つことがわかっています。

つまり、LHの代わりにhCGに頑張ってもらって、テストステロンをダクダク分泌させちまいましょう!という狙いなのが。hCG療法を根幹です。

hCG療法が男性更年期障害に効く仕組みは、要するに、hCGがLHの代わりに精巣(ライディッヒ細胞)を刺激し、テストステロンの分泌を増やすことにあります。

hCGがLHの代わりに精巣(ライディッヒ細胞)を刺激し、テストステロンの分泌を増やす!

hCG療法は、一見すると画期的な治療法に見えますが、もちろんメリットだけではありません。デメリットや副作用もあります。

以降にhCG療法のメリットとデメリットを比較します。

hCG療法のメリデメ

hCG療法にはメリットだけではなく、デメリットや副作用もあります。

ここからは、hCG療法のメリットは何か、デメリットは何かについてお伝えします。

メリット

※表はスライドできます。

メリット詳細説明
テストステロン増加hCGはテストステロンの分泌を刺激し、男性更年期障害の症状を改善する可能性があります。
性機能の改善テストステロンの増加により、性欲や勃起力の向上が期待されます。
精子数の増加一部の男性不妊症にも有効で、精子数の増加が期待されます。
精巣萎縮改善一部の精巣萎縮患者に対しても有効で、精巣の機能改善が見込まれます。
妊娠検査や不妊治療に利用可能hCGは妊娠検査や不妊治療にも幅広く利用されています。

デメリット

※表はスライドできます。

デメリット詳細説明
副作用hCG療法には、一部の人に腫脹や乳房の痛みなどの副作用が現れる可能性があります。
高コストCG療法は、テストステロン補充療法に比べるとお高めです。
個人差のばらつきすべての患者が同じように効果を得るわけではなく、個人差があります。
継続的な治療効果を持続させるためには、定期的な治療が必要であり、中断すると症状が再発する可能性があります。
医師の指導hCG療法は医師の指導のもとで行われるべきであり、自己処方や管理は避けるべきです。

この様に、hCG療法にはいくつかのメリットとデメリットが存在します。

個々の健康状態や症状によっても影響が異なるため、治療を検討する際には医師の専門的なアドバイスを受けることが大切です。

エナルモンデポーとhCGの違いとは?どちらが向いているかチェック

男性更年期障害の治療と言えば、テストステロン補充療法ですよね。

テストステロン補充療法で使われるのは、エナルモンデポーです。

エナルモンデポーとは、テストステロンを補充するための筋肉内注射剤です。

hCGとエネルモンデポーは、どちらも男性更年期障害の治療法として有効ですが、その作用や特徴は異なります。

ここでは、hCGとエネルモンデポーの違いについて、メカニズムや効果、安全性や費用などの観点から比較してみましょう。

そして、どちらが自分に向いているかをチェックする方法もお伝えします。

まずは、分かりやすいように、違いを一覧表にしてみました。

※表はスライドできます。

項目エナルモンデポーhCG
成分テストステロンエナント酸エステルヒト絨毛性ゴナドトロピン
作用機序直接的にテストステロンを補充する卵巣や精巣に作用して、テストステロンの分泌を促す
注射部位筋肉皮下・筋肉
注射頻度2~4週間ごとに1回2~3日ごとに1回
効果性器や副性器の発育、性欲や勃起力の改善、精子形成の促進、
貧血や免疫力の改善など
精子形成の促進、男子不妊症の治療など
副作用過敏症状、肝機能検査値異常、回復しがたい嗄声や多毛などの女性化現象、陰茎肥大や持続性勃起などの男性化現象、精巣萎縮や精子減少などの精巣機能抑制、多幸症状、脱毛や皮膚色調変化など過敏症状、頭痛、吐き気、下腹部痛、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、多胎妊娠など
健康保険適用保険適用あり保険適用あり
参考価格(保険適用の場合)1,000円ちょっと2,000円~3,000円

なお、上記の価格はあくまで参考であり、病院によって異なる場合があります。

どちらが自分に向いているかをチェックする方法

どちらが自分に向いているかをチェックする方法は、以下のようなものです。

  • 自分の体内で男性ホルモンを生成する方法に興味があるかどうか
  • 副作用やリスクを最小限に抑えたいかどうか
  • 精子や精巣の機能を維持したいかどうか
  • 費用や手間を気にするかどうか 

これらの要素を考慮して、自分に合った方法を選んでください。

もちろん、医師や薬剤師と相談することも大切です。

hCGホルモン製剤の注射とエナルモンデポーの注射は、どちらも男性更年期障害に効果的な治療法ですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

自分に最適な方法を見つけてくださいね。

おわりに

今回は、男性更年期障害の治療法の一つとして、最近日本でもじわじわ注目されつつあるhCG療法について徹底解説しました。

ポイントをおさらいしてみましょう。

  • hCG療法とは、人工的に作られた妊娠ホルモンを皮下または筋肉に注入することで、男性ホルモンの分泌を促進する方法です。
  • hCG療法のメリットは、症状の改善や若返り効果、性機能の回復などです。デメリットは、費用や手間(短い期間で複数回)などです。
  • エネルモンデポーとhCGの違いは、エネルモンデポーは直接テストステロンを補充する方法で、hCGは自分の体内でテストステロンを生成する方法です。どちらがあなたに向いているかは個人差がありますが、hCG療法はより安全で効果的であることが科学的に証明されています。

hCG療法は、日本ではまだあまり行われていないようです。一方、欧米では、hCG療法が広く行われています。近い将来は、テストステロン補充療法と並んで、メジャーな治療法になることが予想されます。

今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。

この記事があなたの健康や生活の質を向上させるお手伝いになれば嬉しいです。

このブログでは、男性更年期障害に関して様々な切り口からの話題や情報を発信しています。良かったら他の記事もお読みください。

それではまたお会いしましょう。

参考文献・関連サイト

  1. MEDLEY(「エナルモンデポー筋注250mg」)
  2. MEDLEY(「黄体ホルモン製剤」)
  3. KEGG (「医療用医薬品 : HCG」)
  4. MAMARI(「【医療監修】hCG注射とは?知っておきたい効果と副作用」)
  5. M’sクリニックもんなか(「診療科目:男性更年期障害」)
  6. 恵比寿つじクリニック(「男性更年期について」)
  7. 中野駅前ごんどう泌尿器科(「男性更年期障害(LOH症候群)」)
  8. Wikipedia(「男性ホルモン補充療法」)
  9. MedicalNote(「男性更年期障害との付き合いかた」) 
男性更年期障害の克服に必要なのは「ひとりじゃない」と思えること

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ABOUT ME
タツヤ
タツヤ
男性更年期障害予防改善アドバイザー
1971年生まれ。
2010年頃から動悸、めまい、発汗、倦怠感などの症状に悩まされる。
様々な病院で検査を受けるも原因が分からず『診断難民』状態に。
その間、体調は悪化するばかり。
2019年頃から体調不良(不定愁訴)が顕著に現れる。
2022年11月ホルモン検査の結果、男性更年期障害の診断を受ける。
以降、テストステロン補充療法を中心に治療を続け、合わせてテストステロンをアップさせるための生活習慣の改善に取り組み、2023年11月時点、テストステロン値も正常になり、男性更年期障害の症状は改善する。
現在は、自身の経験を活かし、SNS(X【旧Twitter】)やblog、同じ悩みを持つ方々によるコミュニティ、さらには各種メディア出演など通じて、男性更年期障害を中心としたメンズヘルスに関する情報を発信している。

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