「更年期症状と仕事への影響に関する調査」の詳細な要約
otokono-kounenki
背景
- 更年期は、ホルモンバランスの大きな変化期であり、血管運動症状や精神症状など心身の不調が生じやすい時期。
- 更年期症状は40代〜50代で発症し、この年代は企業で重要な役割を担うことが多い。
- 男性の更年期に対する認知や理解度は低く、自覚することや周囲への援助希求のハードルが高い。
更年期離職の社会的関心
- 近年、「更年期離職」という現象が社会的関心を集めている。
- 40代〜50代の女性で更年期離職を経験した人数は約46万人、経済損失は約6,300億円と推計されている。
- 厚生労働省が更年期に関する実態調査を2022年に初めて実施し、詳細な実態把握と課題解決が急務となっている。
メノテックの注目
- 更年期の健康課題をテクノロジーで解決する「メノテック」が注目されており、市場規模は世界で65.4兆円とも言われる。
- 現状は女性向けの製品やサービスが中心だが、男性向けの開発も期待される。
主な調査結果・考察
- 調査期間: 2023年8月1日〜7日
- 対象: 就業中の40歳代〜70歳代の男女1,040名(男性515名、女性525名)
- 内容: 更年期症状に対するイメージ、自覚症状、仕事への影響、相談・対処方法、テクノロジーを活用したサービスの利用意向など
- 更年期症状・障害の相談経験の有無:
- 男性の85.0%、女性の60.3%が更年期症状・障害について誰にも相談していない。
- 更年期症状・障害は日常生活に支障をきたすというイメージが40.3%に存在。
- 更年期症状・障害の仕事への影響:
- 症状あり群の中で、男性34.6%、女性51.1%が仕事のパフォーマンスが下がると回答。
- 男性9.6%、女性13.8%が定期的な休みを取得することを検討している。
- メノテックの活用可能性:
- 男性は「エビデンスに基づいた更年期ケアの情報を得るサービス」、女性は「自身の更年期症状に応じた対処法を教えてくれるサービス」を最も望む。
- テクノロジーを活用したサービスへの期待があり、男性より女性の方が期待が高い。
結論
- 更年期症状・障害は自覚症状として現れ、仕事のパフォーマンスに影響を及ぼしているが、相談が難しい実態がある。
- メノテックの活用は、更年期世代を支援し、従業員のウェルビーイングを高め、労働人口の維持や確保に寄与する可能性がある。