ED薬がドラッグストアで手に入るようになる

「やっぱ病院に行くのは恥ずかしい・・・」
「誰にも相談できないしな・・・」
「ED薬はネットで買えるって言うけどちょっと怖い・・・」
これは、これまで多くの男性たちが、ED(勃起不全)の悩みを抱えながら口にできなかった“本音”の数々。
EDの症状そのものよりも、相談できないことのしんどさのほうが、心に重くのしかかるものです。孤独なまま抱え込むって、ほんとにつらいんですよね。
でも、ようやくそこに、“一人で抱え込まなくても良くなる新たな選択肢”が生まれようとしています。
それは、ED薬が、街中のドラッグストアで手に入るようになりそうなのです。(2025年9月の状況)
実は2025年9月18日に、厚生労働省の部会がED治療薬「シアリス(一般名:タダラフィル)」の市販化(OTC)を了承したというニュースが流れました。
ED治療薬を市販薬(OTC医薬品)とすることを厚生労働省の専門部会が了承した。これは国内では初めての事例となる。
(朝日新聞 2025年9月19日 朝刊より引用)
これが実現すると、今まで病院に行って医師に処方箋を出してもらわないと手に入れられなかったED薬が「ドラッグストアで手に入っちゃう」という、新しい入口が開かれるということなんですよ。
当事者ではない人からすると「ふぅ~ん」って感じですが、当事者からしたら「OH!ついにキタ~!」って歓喜するレベルだと思います。
だって、風邪薬や栄養ドリンクを買うように、ドラッグストア(実際にはハードルはありますが、それは本文で触れていきます)で手に入るんですよ。
ということで、今回は、ED薬が市販薬としてドラッグストアで手に入るようになることで、どんな変化が起こるのか。その背景や、私たち中高年世代が直面してきた葛藤、そしてこれが社会にもたらす意味まで、男性更年期をテーマに発信してきた立場から、じっくりと深掘りしてまいります。
ぜひ、お付き合いください。
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市販化までの流れと、どんな制度になるのか整理してみます
まずは「今回の市販化の話って、そもそもどういうこと?」をきちんと整理しておきましょう。
シアリスってどんな薬?
と、その前にシアリスについて確認しましょうね。
シアリスの一般名がタダラフィルです。タダラフィルの方が聞き慣れている方もいるかもしれませんね。
シアリスは、ED薬として世界中で使われてきた信頼性の高い薬。
日本でも使えてはいましたが、これまで医師の処方がないと手に入りませんでした。
このシアリスは、「PDE5阻害薬」というグループの薬で、勃起時に必要な血流を助けてくれる働きがあります。
ただし、性欲がアップする薬ではありませんので、そこは誤解のないように。
- 有効時間はなんと最大36時間。めちゃ長い!
- 食事の影響も受けにくい。揚げ物なんかも、へっちゃらです。
- 「ウィークエンド・ピル」と呼ばれるほど、週末を安心して過ごせる設計です。


もちろん、注意点や副作用もあります。
- 副作用例:頭痛、顔のほてり、筋肉痛、消化不良、鼻づまりなど
- 重篤な副作用:持続性勃起症、視覚・聴覚異常(まれ)
- 服用できない人:
- 硝酸剤を使用している人
- 心疾患・肝疾患・腎疾患がある人
- 最近心筋梗塞や脳卒中を経験した人
エスエス製薬が市販化承認申請
2025年9月18日、ついに厚生労働省の専門部会が動きました!
エスエス製薬が申請していたED治療薬「シアリス」の市販化について、「OK出しますよ」という“了承”が正式に出たんです。。
次は、パブリックコメント(パブコメ:いわゆる国民からの意見募集)を経て、最終的に厚生労働大臣の承認が出れば──日本で初めて、ED薬がドラッグストアなど、薬局で買えるようになります。ただし、薬剤師の指導が条件となるようです。
つまり、「医師の処方がないと手に入らなかった薬」が、「薬剤師と相談して買える薬」にステージアップするという、けっこうなインパクトのある出来事なんですよね。
OTCってなんだっけ? スイッチOTCってのもあるけど…
市販化でよく聞く“OTC”とか”スイッチOTC”ってなんのこと?
そんなあなたのために整理しておきますね。
OTC(オーティーシー)とは?
OTCとは Over The Counter の略で、いわゆる「一般用医薬品」のこと。
簡単に言えば、お医者さんの処方箋がなくても、薬局やドラッグストアで買える薬のことです。
風邪薬、胃薬、頭痛薬、便秘薬…などなど、ふだん私たちが薬局でよく目にするタイプの薬は、だいたいこのOTC医薬品に該当します。
ただし、誰でも・いつでも・自由に買える、というわけではなくて、効果や副作用の強さに応じて「分類」がしっかり決まっているんです。
スイッチOTCって何が違うの?
「スイッチOTC」という言葉も、今回のシアリスでよく出てくるキーワードです。
これは、もともと医療用として“処方箋が必要”だった薬を、条件付きで“市販薬(OTC)に切り替える”仕組みのこと。
つまり、
✔ 医療現場で長年使われていて、
✔ 効果と副作用に関するデータがしっかりあり、
✔ 使用ルールを守れば、薬局で使っても安全と判断された薬だけが、
この「スイッチOTC」として認められるんですね。
なので、今回の「シアリス」も、ただの“OTC”ではなくて、正確には“スイッチOTC化されたED薬”ということになります。
販売条件や使用対象はどうなるの?
専門部会が了承した内容には次のような条件が含まれています。
項目 | 内容 |
---|---|
対象 | 18歳以上の男性 |
販売形態 | 薬剤師からの対面指導が必要 |
錠数や使用回数 | 上限などの制限を設ける見込み |
用いてはならない人(併用禁忌・既往歴) | 硝酸剤を使っている人、心疾患・不整脈・高血圧など健康上のリスクがある人は使用不可または注意が必要。薬剤師による問診チェック項目が用意される。 |
どんな変化が期待できるでしょうか
ここからは、男性更年期世代の私たちにとって、この市販(OTC)化が何をもたらすのか、リアルな“ベネフィット”を深掘っていきます。
① 受診のハードルが下がる
これが最大のメリットの一つ。
- 病院に行く心理的負荷が減る。待ち時間、恥ずかしさ、性の問題を他人に話す抵抗。これらが“薬局で薬剤師と話す”という形に変わるだけでもずいぶんハードルが下がります。「薬剤師にも話したくない!」という人がいたらごめんなさい。
- 時間・コストの節約。予約を取る、診察に行く、交通費をかける…という手間が軽減されます。
- “まず試してみる”機会が増えます。EDの症状が軽い・中程度であれば、薬を使ってみて、その後どうするかを考える可能性が広がる。「ED薬って効果あるじゃん!」という体験から、ちゃんと病院で受診して、処方してもらおうといったマインドセットにつながる可能性も出てきます。
② 偽造品・危険な入手ルートからの保護
- この効果もめちゃデカいです。
- ネットでの個人輸入などに偽造品・粗悪品が多く出回っており、健康被害のリスクが指摘されています。
- 正規の薬局を通じて薬剤師の指導を受ける流通が確立すれば、こうした非正規ルートから買うという人は激減すると思います。Made In Japan!やはり国産の信頼性は揺るがないですよね。
③ ED(勃起障害)の認知、及び関連する健康問題の早期発見
- ED(勃起障害)は老化だけではなく、高血圧、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化などとの強い関連があります。
- 薬剤師による問診チェックシートや使用前の確認により、心血管疾患リスクのある人に医療機関を紹介するなど、早期介入のきっかけになります。
- また、ED(勃起障害)を治療することで生活の質(QOL)の改善だけでなく、メンタルヘルスや性の自己効力感の回復にもつながります。
④ 社会的・制度的インパクト
- 健康寿命の延伸や医療費の削減:生活習慣病の予防・重症化予防につながれば、医療システム全体への良い波及効果があります。
- 健康経営の観点から、企業が中高年男性の健康ケアを重視する流れを後押しする可能性があります。
- 少子化対策という観点でも、性の健康・性生活の改善は家庭生活・パートナーとの関係性を維持・改善することにつながるという見方もあります。
ただし、注意すべきリスクと課題もあります
どんなに良い流れでも、“薬だから”という面での慎重さは不可欠です。ここは当事者としてしっかり理解しておきたい部分です。
⚠️ 安全性の問題
- 併用禁忌:硝酸剤をはじめ、心臓病・不整脈・コントロールされていない高血圧などがある人は要注意。薬剤師の問診だけでは見逃されるケースが想定されます。
- 副作用:頭痛、ほてり、潮紅(のぼせる感じ)、などの比較的軽い副作用から、持続勃起症などの重篤な副作用のリスクもゼロではありません。
- 過剰使用や自己判断による乱用:効果が弱いと感じて自己増量したり、頻度を上げたりする可能性。錠数・回数上限が設けられるのはこのためです。
⚠️ 薬剤師・販売体制の問題
- 薬剤師が対面でしっかり確認できる時間・プライバシー確保などが整っているかがポイントになります。
- 薬剤師の研修・教育が十分かどうか。薬剤師側にも負荷や責任が増すことになる。設計をしっかりしないと、形骸化するリスクにつながります。
- 薬局が適切なチェックシートを用意すること、使用中の持病・薬の確認が確実にできる仕組みが必要です。
⚠️ 医療機関受診機会の減少の懸念
- 軽い症状で薬を使って済ませてしまい、実は重篤な基礎疾患(心血管疾患など)が隠れていたケースを見逃すリスクがあります。
- また、ED治療薬だけで症状を“抑える”ことばかりに目が行き、生活習慣改善の機会を逃す可能性があります。
ED治療薬(タダラフィル製剤)適正使用ガイド(案)
厚労省のガイドに基づき、薬剤師さんが購入者に対するチェックするガイド案(2025年9月現在)をご紹介しますね。本番では、変わる可能性はあるかもしれませんが、ご参考まで。
❶ 次のすべてに当てはまりますか?
☐ 十分な硬さのぼっ起が得られない、又はぼっ起が維持できない
☐ 成人男性である
🟢 はい → 次へ進んでください
🔴 いいえ → この薬は飲めません。
❷ 現在服用されているお薬を確認します。次のいずれかに当てはまりますか?
☐ 本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある
☐ 狭心症等の治療に継続して使用されるニトログリセリン(ミリスロール等)、硝酸イソソルビド(ニトロール、フランドル等)、ニコランジル(シグマート等)等の硝酸剤等を使用している
☐ リオシグアト(アデムパス等)、ケトコナゾール(ニゾラール等)、イトラコナゾール(イトリゾール等)、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド等)を使用している
🔴 はい → この薬は飲めません。
使用中のお薬をよくご確認のうえ、適切な医療機関に相談するようご指導ください。
🟢 いいえ → 次へ進んでください
❸ 既往歴を確認します。次のいずれかに当てはまりますか?
☐ 心血管系に障害がある等、性行為が不適当と考えられる
☐ 不安定狭心症又は性行為中に狭心症を起こしたことがある
☐ 安定していない不整脈がある
☐ 低血圧である
☐ 安定していない高血圧がある
☐ 3ヶ月以内に心筋梗塞を起こしたことがある
☐ 6ヶ月以内に脳梗塞・脳出血を起こしたことがある
☐ 医師より肝障害の診断を受けたことがある
☐ 腎臓病
☐ 非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)と呼ばれる視覚障害
🔴 はい → この薬は飲めません。
性行為は心臓へのリスクを伴います。特に、心臓・血管系障害の疑いのある人は、必ず事前に医療機関に服用の可否を確認するようご指導ください。心筋梗塞等を引き起こすおそれがあります。
🟢 いいえ → 次へ進んでください
❹ 次のいずれかに当てはまりますか?
☐ 医師の治療、医師から投薬を受けている
☐ 次の薬剤を服用している
・前立腺肥大症治療薬又は血圧を下げる薬(α遮断剤(ドキサゾシン等)、アムロジピン等)
・抗 HIV 薬(リトナビル、サキナビル等)
・抗菌薬(リファンピシン等)
・抗てんかん薬(フェニトイン、フェノバルビタール等)
☐ 高齢である
☐ 薬等によりアレルギー症状を起こしたことがある
☐ 次の診断を受けたことがある
・持続性のぼっ起(4 時間以上ぼっ起が続いたことがある)
・血液の病気(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)
・出血性疾患、消化性潰瘍
☐ 陰茎の構造に欠陥(屈曲、陰茎の線維化、ペローニ病等)がある
☐ 他のぼっ起不全の治療を行っている
☐ 軽い運動や中程度の運動(例は 20 分程度早足で歩く、階段を1階分早足で駆け上がる等)でひどく息苦しくなったり、胸に痛みを感じたりする
🟡 はい → 適切な服薬指導が必要になります。また、服用に際し、医療機関への相談が必要な場合があります。医療機関を受診する際は、本剤の服用について相談するようご指導ください。
🟢 いいえ → 服用可能な場合あり(最終ステップへ)
❺ 本剤の服用に際しては、次の内容を遵守するようご指導ください
☐ 本剤を服用している間はグレープフルーツジュース等を飲まないでください
☐ 緊張や不安、ストレスがあるとぼっ起しにくくなることがあります。初回内服では効果が得られない場合は、後で性行為を行う場合であっても 1 日 1 錠までの服用をお守りください。後日リラックスできる環境を整え再度服用し試みると効果が期待できます。4~8 回の服用が必要な場合もあります
☐ 4~8 回の服用でも効果があらわれない場合は、医師又は薬剤師に相談してください(ぼっ起不全には臓病、高血圧、糖尿病等の病気に関連している場合がありますので、早めに医師又は薬剤師に相談してください)
☐ 服用後は高所での作業、乗り物又は機械類の運転操作に注意してください(めまいや目のかすみ等の症状があらわれることがあります)
というように、結構詳細に定められています。
”要指導医薬品”になるのか、”第一類医薬品”になるのか、まだ決まっていないようですが、実際に購入する際、ここまで細かいことを説明しヒアリング(?)しながらやるのは、薬剤師さんにとっても、購入者にとっても、大変そうです。
🧪 要指導医薬品とは
- 定義:医療用医薬品から市販薬に切り替わったばかりの「スイッチOTC」など、安全性評価がまだ十分でない薬
- 販売方法:薬剤師による対面販売のみ。ネット販売は不可
- 特徴:
- 初めて市販される成分を含む
- 使用者本人への説明が必須
- 購入記録(日時・氏名など)を残す必要あり
- 例:ED治療薬「シアリス(タダラフィル)」がこの区分になる可能性が高いと報じられています
💡 第一類医薬品とは
- 定義:副作用や相互作用のリスクが比較的高く、使用に注意が必要な市販薬
- 販売方法:薬剤師による情報提供が必要だが、ネット販売も可能
- 特徴:
- 要指導医薬品から移行した薬が多い
- 使用者の自己判断がある程度認められる
- 購入記録は不要
- 例:アレグラFX、クラリチンEXなどは以前は要指導医薬品だったが、現在は第一類医薬品に分類
違いをまとめると…
項目 | 要指導医薬品 | 第一類医薬品 |
---|---|---|
安全性評価 | 未確立 | 一定の評価済み |
販売方法 | 対面販売のみ | 対面+ネット販売可 |
説明義務 | 薬剤師が必ず説明 | 薬剤師が情報提供 |
購入記録 | 必要 | 不要 |
使用者確認 | 必須(本人確認) | 任意 |
という違いになります。
設計時は、”漏らさず”、”安全”を最優先に行うから、どうしても細かくはなるんですよね。
それは購入者としては安心材料になるので大歓迎なのですが、オペレーションで、必ずしも守られるものではない?のが現実。
第一類医薬品のテストステロン補充塗り薬のグローミンも、薬剤師さんからちゃんと説明を受けないとならない薬ですが、私は”一度も”説明を受けたことはありません。※あくまで私の場合です。
いろいろ調べてみると、
- 第一類医薬品は、薬剤師による情報提供が義務(薬機法第36条の10第1項)
- 店舗販売では、薬剤師が購入者の状態に応じて個別に情報提供する必要がある
- ただし、例外規定あり(①購入者が「継続使用しているので説明は不要」と意思表示した場合②その上で、薬剤師が「適正使用が可能」と判断した場合)
わたし、「説明は不要」とか意思表示は一切していないんですけどね。
コンビニでおにぎりを買う感じで、「(わたし)グローミンください」・・・「(薬剤師)ピッ※バーコードリーダーの音」で、超カンタンにゲット!です。

どこに問題があるかはわかりませんが、シアリス(タダラフィル)もこんな感じになる可能性は少なくないかもしれません。ただし、要指導医薬品になったら話は別で、薬剤師の説明はマストですからね。
ということで、購入者のあなた自身が、しっかりと学んでおく必要があるということです。自分の健康は自分で守る!これにつきます。
まだ未定で、これから決まること
市販化されるまでは、まだいくつか明らかになっていないことがあります。
これから決まっていくと思われること | 内容 |
---|---|
要指導医薬品か第一類医薬品か | 現時点では「要指導医薬品」となる可能性が高いと報じられています。第一類になるかどうかは議論中。 |
オンライン購入の可否 | 改正医薬品医療機器法の施行後、薬剤師の説明を受けた上でオンラインでも購入可能になる見込み。 |
正確な錠数・回数制限、価格設定 | 薬の包装上限、1回あたり・1日の使用頻度など細かい条件がまだ確定していません。 |
引き続き医療機関を紹介する体制 | 効果不十分な場合や併用禁忌など疑いのあるケースで、薬剤師が医療機関を紹介するガイドラインがどう運用されるか。 |
OTC化すると、未来はこんな感じになるかもしれない
当事者視点で、「もしこうなったらいいな」と思うタツヤ目線の未来も描いておきます。
- 薬局でまず相談できる窓口としてEDが普通のテーマになる
「性機能・EDが恥ずかしい話題」ではなく、薬剤師が健康相談として“EDかもしれない”ということを普通に聞いてくれる時代になっちゃいます。 - ライフスタイル改善と薬の併用がセットになる
メタボ・糖尿病・血圧の管理などと連携して、ED治療をきっかけにトータルな健康改善に取り組む人が増えます。薬はそのサポートツールになります。 - オンライン・デジタルヘルスとの連動
改正法でオンライン販売が可能になる見込みがあるので、遠隔地や忙しい人でも薬剤師の説明を受けられ、必要ならばオンライン問診で医療機関につながる仕組みが構築されちゃいます。 - 正規薬の流通強化と偽造品撲滅
OTC化により流通チャネルが増え、偽造品の存在感が薄れる。情報提供が普通になり、薬の成分や使い方を「わかる人」が増えて、結果、海外の”怪しい”・”危険”なED薬を購入しなくて済むようになります
40代・50代・60代の私たちが今からできること
未来を待つだけでなく、自分自身で備えておくことも大事です。ここは私が当事者の立場で「今やるべきこと」を整理します。
- EDや性機能に関する正しい知識を持つ
ED(勃起障害)があっても「歳のせい」だけにして諦めちゃダメ。男性更年期障害・生活習慣病・心血管疾患のサインとして捉えましょう。 - 自分の健康状態を知る
高血圧・糖尿病・コレステロール・体重・喫煙の有無・心疾患の既往歴など、医師との健康診断で状態を把握しましょう。薬を使う際のリスク因子になりますからね。 - 信頼できる薬局・薬剤師を探しておく
OTC化後、薬剤師とのコミュニケーションが重要になるので、「説明が丁寧な薬局」を知っておくとよいです。特に、プライバシーが守られる環境があるところ。男性薬剤師が在籍しているところもポイントになるかもです。 - 生活習慣改善の取り組みを放置しない
食事(塩分・脂質・糖分を控える)、運動(有酸素+筋力)、睡眠、ストレス管理、禁煙などを意識しましょう。あくまで薬は補助。根本改善を狙うのが最適解です。
おわりに
もう、“恥ずかしいから”とか“歳のせいだし”とか、そんな理由で、自分の健康をごまかす時代じゃないと思うんです。
EDはただの“性の悩み”ではありません。
それは、あなたの 心臓や血管、ホルモンや生活習慣、そして自尊心や人生観にまで関わる、全身のサインです。
市販化というのは、薬が手に入りやすくなるというだけじゃなく、“話しにくい悩み”に正面から向き合えるチャンスが増える、ということでもあるんです。
だからこそ、大事なのはこういうこと。
薬を手にする前に、自分の体とちゃんと向き合ってみる。
不安があるなら、信頼できる人に相談してみる。
そして、我慢じゃなく、自分を整える選択を。
病院に行くのが億劫なら、薬剤師という頼れる選択肢がある。
薬に頼るのが不安なら、生活を整えるという道もある。
どちらにせよ、あなたの体と人生をコントロールできるのは「あなた」だけです。
この動きを、ただのニュースで終わらせないでくださいね。
参考資料
エスエス製薬株式会社 スイッチOTC医薬品の候補成分ED治療薬 タダラフィル