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「骨太の方針」で国が本腰を入れた!男性更年期障害ケアが本格始動へ

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最近「なんだかやる気が出ない」「疲れが抜けず、気分も落ち込みがち」――そんな不調を、「年齢のせいかな」「気のせいかも」と、つい一人で抱え込んでしまっていませんか?

実はそれ、男性更年期障害(LOH症候群)のサインかもしれません。そして今、そんな“見えない不調”に対して、国がついに本格的に動き出しました。

なんと、政府の最重要方針である「骨太の方針2025」に、男性の更年期障害が正式に明記されたのです!

これまでは「更年期」と聞くと、どうしても女性の課題として語られることが多く、男性側の不調は「気のせい」「ストレスのせい」として片づけられがちでした。しかし今回、「性差に由来する健康課題」として、男性の心身の変調にも国策として光が当たるようになったのです。

これは、これまで“ひとりで我慢するしかなかった男性の健康課題”が、「社会全体で支えるべきテーマ」として、はじめて真正面から認められたという意味で、まさに歴史的な転換点です。

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男性更年期障害(LOH症候群)とは?

正式名称は「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」。加齢やストレスなどを背景に、男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が徐々に低下し、それに伴って身体的・精神的な不調が現れる状態を指します。

この疾患は、女性の更年期のように急激なホルモン変動ではなく、緩やかに進行していくため、本人も気づきにくいことが大きな特徴です。

代表的な症状

  • 意欲・集中力の低下、無気力感
  • 気分の落ち込み、イライラ、不安感
  • 睡眠の質の低下、夜中に目が覚める、熟睡感がない
  • 性欲の減退やED(勃起不全)
  • 発汗、ほてり、動悸などの自律神経症状

こうした症状は一見、日常の疲労やストレス、加齢現象として見過ごされがちで、「まさかホルモンが原因だったなんて」と診断されて初めて気づく方も多いのが現実です。

さらに男性は「不調を表に出すことが恥ずかしい」「弱みを見せたくない」と感じてしまい、受診や相談をためらう傾向が強く、放置されやすい構造的な問題もあります。

なぜ今、国が動いたのか? 〜「骨太の方針2025」に見る背景と狙い

「骨太の方針」とは、政府が毎年6月に閣議決定する日本の国家戦略です。財政・経済運営から社会保障、労働、地域再生などに至るまで、あらゆる分野の中長期的な方向性を定める“国の羅針盤”ともいえる存在です。

今回、男性更年期障害がこの「骨太の方針2025」に明記された背景には、以下の3つの大きな流れがあります。

  1. 高齢化と就労年齢の延長
    • 50〜60代の男性が職場の中核を担い続ける時代に突入。心身の不調をケアしないままでは、パフォーマンス低下や離職、メンタル不調の連鎖を招き、企業全体の生産性にも深刻な影響を与えかねないという危機感が広がっています。
  2. 医療費の適正化と予防の重視
    • 放置されたLOH症候群は、心疾患、うつ、糖尿病、骨粗しょう症などの引き金になりやすく、結果的に医療費や介護費用の増大につながります。早期発見・早期対応による予防医療が重要視されています。
  3. 国際的潮流への対応
    • WHOやG20など、国際的な保健政策でも「性差に配慮した医療(gender-based medicine)」や「健康寿命の延伸」がキーワードに。これに歩調を合わせる意味でも、男性特有の健康課題への対策が求められています。
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政策が変わる。現場が変わる。4つの注目アクションでは、「骨太の方針2025」で打ち出された男性更年期ケアの中核施策を見ていきましょう。以下の4本柱が中心となっています。

項目アクション内容と期待される変化
1調査研究の強化LOH症候群に関する疫学データの収集や診断基準の明確化、治療法の有効性に関する科学的根拠の蓄積を行い、診療体制の質を向上させる。
2全国規模の相談・診療ネットワーク構築専門的な診療や相談がどこに住んでいても受けられる体制を整備。オンライン診療やテレヘルス活用による地域格差の是正も期待。
3企業の健康経営支援中小企業を中心に、男性の更年期ケアを健康経営に組み込み、従業員が気軽に受診できる環境を整える。管理職の理解促進や職場内のメンタルヘルス教育も重要に。
4フェムテックとの連携・応用すでに進化している女性向けのヘルステック(周期管理アプリやホルモン測定デバイス等)を、男性向けに応用する開発支援が強化される。

これらの施策を通じて、将来的には保険適用の拡大、診療ガイドラインの改訂、医師や産業医への啓発・研修プログラムなども進行していく見通しです。定期健康診断でテストステロン値の測定が当たり前になる日も、そう遠くないかもしれません。

「人中心の国づくり」──男性の健康が社会を動かす

「骨太の方針2025」が掲げる核心的な理念のひとつが、「人を中心とした国づくり」、そして「人財尊重社会」の実現です。これは、経済成長やテクノロジーの進展だけでなく、国民一人ひとりの心身の健康と自己実現を社会の中核に据えるという国家的ビジョンです。

その中で、“健康”はあらゆる活動の基盤として位置づけられており、単に病気を防ぐという医療の枠を超えた「生活の質(QOL)の向上」や「ウェルビーイングの実現」に向けた支援が求められています。

男性の更年期障害(LOH症候群)に対する政策的取り組みも、まさにこの思想の延長線上にあります。特に、これまで社会の中で語られることが少なかった「男性の不調」に光を当てることで、誰もが“弱さ”を見せることができる優しい社会の実現を後押しするものです。

  • 男性が「なんとなく調子が悪い」と安心して口にできる社会へ
  • 病院や専門機関だけでなく、職場や家庭内でも心身の変化を共有しやすくする環境整備
  • 「不調=甘え」ではなく、「不調=支援を受けてよいサイン」という意識の浸透

こうした文化的・構造的転換を支えるのが、「骨太の方針」が示した包括的な支援体制です。国は単に施策を列挙するだけでなく、それらを社会全体に根づかせるために、教育・啓発・情報発信・制度設計の四位一体で進めていくことを明記しています。

つまり、健康を語ることは、働き方改革を語ることであり、地域社会の絆を再構築することであり、個人の自己肯定感を育むことにもつながるのです。

このような“支える文化”が男性の健康を通じて広がっていけば、最終的には子どもたちやパートナー、高齢者にも波及し、社会全体のレジリエンス(回復力)が高まる未来が期待されます。

国・自治体・企業・家庭・そして私たち一人ひとり。すべてのレベルで、支える仕組みと価値観が問われる時代に、私たちは今立っているのです。

あなたの一歩が、未来を変える

「骨太の方針2025」に男性更年期障害が正式に明記された――この一文に込められた意味は計り知れません。

それは、これまで「年齢のせい」「気のせい」と見過ごされてきた男性たちの不調に対して、国が“声を上げる勇気”を後押しする姿勢を、明確に打ち出したということ。つまり、あなたの違和感や不安、そして「もう限界かも…」という小さなSOSに、社会が本気で耳を傾けようとしている証拠なのです。

ここから先は、誰かが気づいてくれるのを待つ時代ではありません。
あなた自身が、自分の変化に気づき、立ち止まり、そして必要であれば「相談する」「頼る」という一歩を踏み出すこと。それは決して弱さではなく、“社会とつながる力強いアクション”です。

あなたのその一歩が、医療を変え、職場文化を変え、家庭の空気を変えていくかもしれない。そして、あなたの笑顔が増えることで、パートナーも、同僚も、子どもたちも、笑顔になれるかもしれない。

私たちが目指す“誰もが支えられる社会”は、決して遠い理想ではありません。
それは、あなたの勇気ある一歩から始まる、いまこの瞬間に芽吹く“現実”なのです。

だからこそ、どうか迷わないでください。
その違和感を放置しないでください。

変化の第一歩を踏み出すのに、完璧なタイミングなんてありません。
でも、今が「遅すぎることはない」最適なスタート地点なのです。

あなたのその一歩が、未来を変えていきます。

男性更年期障害の克服に必要なのは「ひとりじゃない」と思えること

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ABOUT ME
タツヤ
タツヤ
男性更年期障害予防改善アドバイザー
1971年生まれ。
2010年頃から動悸、めまい、発汗、倦怠感などの症状に悩まされる。
様々な病院で検査を受けるも原因が分からず『診断難民』状態に。
その間、体調は悪化するばかり。
2019年頃から体調不良(不定愁訴)が顕著に現れる。
2022年11月ホルモン検査の結果、男性更年期障害の診断を受ける。
以降、テストステロン補充療法を中心に治療を続け、合わせてテストステロンをアップさせるための生活習慣の改善に取り組み、2023年11月時点、テストステロン値も正常になり、男性更年期障害の症状は改善する。
現在は、自身の経験を活かし、SNS(X【旧Twitter】)やblog、同じ悩みを持つ方々によるコミュニティ、さらには各種メディア出演など通じて、男性更年期障害を中心としたメンズヘルスに関する情報を発信している。

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■スーパーJチャンネル(テレビ朝日)※2023/11/24放送
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■ぶんか社 comicタント(vol.50) 漫画(熊田プウ助『中年肉体百科』)の原作協力
■週刊SPA!(2024年 1/16・23号)
ほか

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■男性相談ネットワーク会員(一般社団法人日本男性相談フォーラム)

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